7月19日から日本で開催される、EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会のサッカー日本代表メンバーが先日発表された。サンフレッチェ広島からは、代表初選出となる満田誠を含む6選手が選出。
ここでは、東アジアの頂点を目指す戦いに挑むサンフレッチェ選手の中から、広島アスリートマガジンに掲載された、満田誠の過去の独占インタビューを再編集してお届けする。
「いつかは日本代表で戦いたい」と語り、その言葉通り、ルーキーイヤーに夢を叶えた満田。今季のサンフレッチェを象徴するアタッカーの思いとは。(取材は2022年6月)
EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会 選出選手のコメントはこちら。
◆トップ昇格できず大学進学へ。悔しさを乗り越えてつかんだ代表の座
―今シーズン、ルーキーでありながらすでにリーグ4得点(6月15日時点)。アシストでも結果を残しています。
「広島ユースからトップ昇格ができず、流通経済大での4年間を経てやっと広島でプロデビューすることができました。今のチャンスを逃してしまったら、もう広島でプレーするチャンスは訪れないかもしれないと思い、後悔しないように全ての力を発揮しようという覚悟でシーズンを迎えたので、すぐにチームにフィットすることができて良かったです」
―広島ユース時代の2017年には、高円宮杯プレミアリーグWESTで11得点を記録し、得点王にも輝きました。それでもトップ昇格が叶わなかったときの、率直な気持ちを教えてください。
「すごく悔しかったですし、落ち込みました。そもそも大学に進学するという選択肢が自分の中になかったので、諦めきれず、ほかのチームの練習に参加させてもらったこともあります。それでも、どこからも声がかからなくて……。高校最後の大会で流通経済大の監督とスカウトの方が自分のプレーを認めてくださり、熱心に話をしてくださったので、大学進学することを決めました」
― 今の活躍を見ていると、実りある4年間だったことが分かります。
「ユースの同期がトップ昇格する中で、自分は選ばれなかった悔しさがバネになりました。大学で必死に頑張って、卒業する頃には誰よりも実力をつけて活躍できる選手になってみせると思っていました。結果的に、大学でプレーしたことは遠回りではなく、むしろ自分にとってプラスに働いたと思っています。広島への内定が決まったときには、ピッチで活躍することでチームに恩返ししようと覚悟を決めました」
― プロ入り初ゴールは、3月2日のルヴァンカップ名古屋戦(○2―0)でした。あのシーンを振り返っていかがですか?
「あの瞬間は頭の中がすごく整理されていたので、どんなシーンだったか鮮明に覚えています。川村選手からサイドチェンジでパスをもらって、ドリブルで仕掛けていきました。そのタイミングではまだ自分でシュートをするという選択肢はなかったのですが、相手DFと1対1の状況になり、そこに相手がもう一人カバーに来ました。その二人がコミュニケーションを取った瞬間に、一瞬の隙が見えたんです。『今だ!』と思い、良いタイミングでシュートを打つことができました」
― サンフレッチェOB・吉田安孝さんは、満田選手は『シュートの種類を多く持っている』と絶賛されています。自分でも強みだと感じていますか?
「自分は攻撃の選手なので、シュートのバリエーションや、攻撃への道筋を作るプレーはこれまで本当にたくさん練習してきました。自分としても、そのポイントは強みだと思っています。ただ一番大切なのは、心や頭の中をしっかりと整理してプレーすることです。どんなときも冷静であることを意識するようにしています」