甲子園を目指し、仲間と白球を追いかけた高校時代。そこで培った経験は、球児たちのその後の人生にも大きな影響を与えた。プロに進んだ選手、社会人野球の道を選んだ選手……。それぞれの道に進んだ元・球児たちが、高校3年間を振り返る。

 ここでは、野村祐輔、小林誠司らに憧れ広陵野球部に飛び込んだ、池田侑矢(伯和ビクトリーズ硬式野球部)の思いに迫る。【後編】

 前編はこちら。

選手兼マネージャーとして、社会人野球の世界で活躍を続ける池田選手。

◆高校野球は青春であり、“人間を学ぶ”基礎になった3年間

 大学は中井監督の母校でもある、大阪商業大へ進学させていただきました。広陵で3年間野球をやってきたという評価もあり、1年生からベンチに入らせてもらい、神宮大会も経験させていただきました。

 卒業後はセレクションを受け今の伯和ビクトリーズに所属させていただくことになりました。また広島で野球をすることができるのはうれしかったですし、縁を感じました。今は野球をしながらマネージャーを兼務しています。

 入社6年が経ちますが、大人になっても本気で野球ができることは本当に幸せだなと思いますし、今がとても充実しています。

 高校生のみなさんに伝えたいことは、大学野球や社会人野球に比べて、高校野球はアマチュア野球の中でも非常に多くの方に見られる最高の場所です。青春でもあり、人生で一番大事な時間でもあり、“人間を学ぶ”基礎になった3年間でした。

 やっている側は長いと感じるのですが、本当にあっという間の3年間です。戻ることのない時間ですので“本気以上に本気”で取り組んでほしいと思います。結果が伴わなかったとしても自分の中で“これだけやった”といえる3年間にすれば、たくさんのものが得られますし、今後の人生に必ずつながります。

 今の僕自身もまだ燃え尽きていませんし、会社を背負い、東広島市の名前を借りてプレーしているので、高校球児のみなさんに負けず、これからもたくさんの方に勇気と感動を与えたいと思っています。

池田侑矢◎1994年8月31日、兵庫県出身
2010年に広陵高入学。同学年の佐野恵太(DeNA)と共にプレーし、2学年上には、有原航平(テキサス・レンジャーズ)、福田周平(オリックス)がいる。
広陵卒業後は大阪商業大に進学し1年春からベンチ入りして明治神宮大会へも出場。大学を卒業後は、広島の社会人野球チーム、伯和ビクトリーズに所属し、現在はチームのマネージャーも兼務しながら選手としてチームをけん引する。