EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会が開幕した。
女子日本代表は、韓国を2-1で撃破(7月19日)。INAC神戸レオネッサでのプレー経験を持つチ・ソヨンらを相手に先制点を奪うと、一時同点に追いつかれたものの、最後は長野風花(ノースカロライナ・カレッジ)が勝ち越し点を上げ初戦を勝利で飾った。
日本代表メンバーには、サンフレッチェ広島レジーナから、中嶋淑乃、上野真実の2選手が選出されている。
ここでは、東アジアの頂点を目指す戦いに挑むレジーナの背番号『11』、中嶋淑乃選手の過去のインタビューを再編集してお届けする。(取材は2021年8月)
EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会 選出選手のコメントはこちら。
◆ヌメヌメしたドリブルにご注目! 攻撃のスイッチを入れるキーマン
─FWとして活躍する中嶋選手がサッカーを始めたきっかけを教えてください。
「サッカーを始めたのは小学3年生です。それまでは新体操をやっていたのですが、兄がサッカーをしているのを見て『楽しそうだな』と思っていたんです。そんな時に友達から誘われて始めました」
─中嶋選手のドリブルは〝ヌメヌメしている〟と話題です。スピードではなく、相手との距離感を保ちながらタイミングを見計って抜いていくだけに体のバランス感覚も大切になってくると思いますが、それは新体操で培われたものですか?
「それが……実は、今はめちゃくちゃ体が硬いんです(苦笑)。新体操をやっていた頃は柔らかかったのですが……。なぜかドリブルを見た人には体が柔らかいねと言われます(笑)。ドリブルは自分では普通にやっているつもりなのですが、いつの間にか“ヌルヌル”とか“ヌメヌメ”と言われるようになりました」
─近賀ゆかり選手と共にオルカ鴨川FCから移籍しました。レジーナでプレーしようと決めた理由を教えてください。
「数チームから声をかけていただいたのですが、レジーナの中村(伸)監督と話したとき、この監督の下でサッカーをしたいと思ったのが大きな理由です。新しい場所で挑戦したいと思っていたこともあり、広島にお世話になろうと決めました」
─レジーナでは主に左サイドでプレーすることが予想されます。同じポジションで目標にしている選手を教えてください。
「憧れに近いのですがメッシ(パリ・サンジェルマン)です。サッカーは、海外を含めて男子の試合をよく見ています」
─小学3年生からサッカーを続けてきて挫折を感じたことはありますか?
「これまで大きなケガがないので挫折の経験はないのですが、上手くいかない時に結構落ち込む性格なんですよね。あの子は上手くいっているのになぜ自分は……とよく他人と比べてしまっていたので、良い時と悪い時の波がないように、常にベクトルを自分に向けるように心がけています」
─レジーナ始動から約半年経ちました。チームの変化をどう感じていますか?
「一番はコミュニケーションが大きく変わりました。最初は初めてプレーする選手が多くて、練習中でも声を掛け合うことが少なかったのですが、最近はお互いの意思疎通ができていると感じるシーンが多いです。仲も深まってきていますし、チームとして良い方向に向かっていると思います」
─ちなみに……そんなチームメートのなかで中嶋選手が彼女候補を選ぶなら?
「そうですね〜、やっぱりちいさん(山口千尋)ですかね。料理が上手くて女子力も高いので。ただ、ももさん(佐山桃子)も料理上手なので迷いますね(笑)」
─本誌が出る頃にはWEリーグが開幕しています。サポーターのみなさんにどんなプレーを届けていきたいですか?
「攻守にわたりハードワークを徹底して、攻撃の起点となれるようなプレーを重ね、得点に絡んでいきたいと思います。応援してくださるみなさんに力を与えられるように、一生懸命にひたむきにプレーしていきますので応援よろしくお願いします」
中嶋淑乃(なかしま・よしの)◎1999年7月27日生 熊本県出身
FW/161cm・48kg
高校卒業後の2018年にオルカ鴨川FCに加入。
3年目の2020年には18試合で11得点を記録し、なでしこリーグ2部の得点王に輝いた。
2020年末にサンフレッチェ広島レジーナに移籍。