高校球児たちが白球を追いかけ、汗と涙を流す聖地・甲子園球場。現在連日、熱戦が繰り広げられている。ここでは、かつて甲子園でプレーしたカープ選手たちに“高校時代の記憶”を振り返ってもらった。

 今回は、和歌山代表・智弁和歌山高の一員として2年夏に甲子園に出場した林晃汰の思い出に迫る。

高校時代通算49本塁打を放った林晃汰

監督の教えを心がけてバットを振った3年間

 智弁和歌山高では1年からベンチ入りし、主軸を任された。2年夏に甲子園に出場すると1回戦の興南戦で本塁打を放ち、長距離砲としての素質を全国にアピールした。

 「実はこの時の甲子園のことは、あまり覚えていないんですよね(苦笑)。そのとき肘を故障していて、痛みに耐えるのに必死でした」

 大会後には右肘の手術を行い、2年冬に練習を再開。より力強さを増したスイングで、逆方向にも打球を放り込むほどのパワフルな打撃を身につけていった。

 「1年の頃に高嶋監督から『恐れず、思い切って振っていけ』と言われてから、それはずっと心がけてやってきたことですし、自分の魅力でもあると思います」

 高校時代は通算49本塁打を記録。失敗を恐れず、積極的に振っていくことで、長打力に磨きをかけていった。そして、恩師の教えでもある積極性は、プロに入ってからも、林の持ち味として輝きを放っている。