8月14日終了時点で51勝55敗3分。2位まで3.5ゲーム差の5位につけるカープ。4年ぶりのAクラス入りに向けて、チームとしてどう戦っていくべきか。OBの笘篠賢治氏に語ってもらった。

8月6日の一軍合流以降、打線で存在感を見せる西川龍馬

◆防ぎたい、相手に流れを渡しかねないミス

 8月12日からの巨人3連戦の勝ち越しはできませんでしたが、苦手としているヤクルト相手に、チームの状態が落ちているとはいえ、3連勝できたのは良かったと思います。

 打線では西川龍馬がすごいですね。マクブルームに代わって四番を任されて、ヤクルト戦3連勝に大きく貢献する打撃を見せてくれました。8月11日は先制の3点本塁打もさすがでしたが、6回裏の内角低めのボール球をライト前に運んだ一打も、見たことのないような打ち方でした。秋山翔吾に負けじと存在感を見せつけてくれています。

 西川の存在感もそうですが、一番・野間峻祥が安定した打撃を見せて、何でもできる菊池涼介が二番にいて、ポイントゲッターの秋山が三番にいるという、怖さのある打線になっていますよね。

 野間も昨年までだと、追い込まれてから内角を攻められたら追っつけるだけの打撃が多かったですが、今年は追い込まれてからもしっかりと右中間に打ち返せています。配球を読みながら打てているようにも見えますし、頼もしい一番打者になってくれています。

 坂倉将吾は少し疲れが見え始めていますが、ハードラックな打球もあったりするので、そこまで心配しなくてもいいでしょう。かわりに小園海斗がよく打っていますよね。オールスター明けから打率.315と、8月12日の巨人戦以外は全試合で安打を記録。そして、チームとして追加点が欲しいと思っているところで、貴重な本塁打や適時打を放ってくれています。シーズン序盤はなかなか調子が上がらなかったですが、今はイキイキとしていて、下位打線をしっかりと支えてくれているので、この状態をキープしてもらいたいですね。

 その中で気になったプレーを一つあげると、8月9日のヤクルト戦。8回裏に西川がダメ押しの適時打を放って、代走で曽根海成が起用されました。そこで牽制に飛び出して、一二塁間に挟まれてアウトになってしまいました。

 代走の切り札として使われて、ああいったミスが出るのは良くないですよね。勝ったから良かったものの、積極的にいった中でのミスではなく、やってはいけない、相手に流れを渡しかねないミスでした。これから1点を争う緊迫した試合が続いていくことが予想されるだけに気をつけてもらいたいですね。

 8月15日現在、2位まで3.5ゲーム差。3位を目指していたらこぼれてしまいかねないだけに、2位を目指して戦ってもらいたいところです。現状、先発陣の離脱が続いていますが、今の打線のメンバーは他球団に引けを取らないので、野手陣に引っ張っていってもらいたいですね。