内野の要とも言われるショートは、カープでも歴代の名手が守った重要なポジション。そのショートで、今シーズン、レギュラー確保に向けて奮闘しているのが小園海斗だ。

 報徳学園高時代から年代別日本代表でショートとして活躍。未来の『日本一のショート』としての期待も高い。

 ここでは、大学時代のあの元カープ選手との思い出から、小園への期待まで……OB・笘篠氏が独自の目線で解説する。(数字は全て8月15日時点のもの)

マツダスタジアムのベンチで言葉を交わす、小園海斗と秋山翔吾。

◆印象に残った2人のショート。阪神・久慈と広島・野村

 ショートに関する、私の個人的な思い出をお話させていただきます。

 現役時代、さまざまなショートがいましたが、印象に残っているのが阪神などで活躍した久慈照嘉です。

 人工芝のグラウンドに慣れている選手は、徐々に足を使わなくなる傾向にあるのですが、久慈は土のグラウンドである甲子園球場をホームとしていただけに、足を使い、打球に攻めていくという基本ができていた選手だと見ていました。

 ショートというポジションは、打球に入っていく位置やポジショニングも人工芝と土のグラウンドによって変えていかなければなりません。彼は忍者のように移動していましたし、まるで菊池がショートを守っているようなイメージでした。

 現役時代にカープを対戦相手、味方と両面から見た立場としては、ドラフト同期で同学年の野村謙二郎はいつも気になる存在でしたね。彼はショートを守りながら、リーダーとしてもチームをけん引していました。野球を分かっていて、ゲームの流れを読める選手でしたのでカープにとって大きな存在だったでしょうね。負けず嫌いで闘志を全面に出していた選手でもあったので、チームを引っ張っていく素質を持っていたのだと思います。