鹿児島県を舞台に大学野球、社会人野球チームが交流戦を行う「薩摩おいどんカップ」の開催会見が、8月29日に都内で行われた。

 この大会は、春季キャンプを行う大学野球チーム、社会人野球チームを中心に、NPB球団の参加も見据えており、普段は見ることができない交流戦として、野球界の盛り上げとレベルアップを目指す。さらに現地では試合開催のみならず、野球教室などの野球振興も展開を予定しており、女子野球、軟式野球の参加も視野に入れている。

8月29日都内にて「薩摩おいどんカップ」の開催会見が行われた

 参加チームは全日本大学野球選手権で優勝した亜大をはじめ、都市対抗野球大会を制したENEOSなど、各カテゴリーのトップチームが参加を表明しており、ハイレベルな対戦が展開される。

 大会は、来年2月23日から3月12日に開催され、鹿児島市(平和リース球場)、姶良市(姶良総合運動公園野球場)、薩摩川内市(薩摩川内市総合運動公園野球場)、日置市(伊集院総合運動公園野球場)の4会場で実施される。

 記者会見には開催地である鹿児島県の塩田康一知事のほか、大学からは、東都大学リーグの亜大・生田勉監督、中大・清水達也監督、東京六大学リーグの慶大・堀井哲也監督。社会人野球からはENEOS・大久保秀昭監督、トヨタ自動車・藤原航平監督、エイジェック・難波貴司監督、パナソニック・田中篤史監督が参加。さらに、「薩摩おいどんカップ・アンバサダー」に就任した栃木ゴールデンブレーブス所属・鹿児島県出身の川崎宗則選手も会見に臨んだ。

「薩摩おいどんカップ・アンバサダー」に就任した栃木ゴールデンブレーブス所属・鹿児島県出身の川崎宗則選手

以下、参加者のコメント

●塩田康一 鹿児島県知事

 このたび、九州各地で春季キャンプを行っていらっしゃる各関係のみなさま、チームのみなさまに鹿児島に集まっていただきまして、野球の交流戦である、「薩摩おいどんカップ2023」を開催していただけるということで、大変うれしく思っております。

 交流戦の開催に向けて、多大なご尽力をいただいております、慶応義塾大硬式野球部の堀井(哲也)監督、そして亜細亜大硬式野球部の生田(勉)監督をはじめ、関係のみなさまに深く感謝を申し上げます。

 この交流戦により、県内各地の球場で、非常にハイレベルな試合を地元の青少年に見ていただけるということで、子どもたちに夢や感動を与え、野球に対する意欲・関心を持っていただく機会にもなり、また、鹿児島県内の子どもの心身の発展ということも含めて、多大な効果があるということを期待しております。

 鹿児島県は非常に温暖な気候に恵まれており、日本一の黒豚、かんぱちなどの水産物も非常においしく、温泉も豊富です。選手のみなさんにとってもよい環境の中で春季キャンプ、そして交流戦をしていただけるということで、開催地として選んでいただいたと思っております。

 また、全国の野球ファンのみなさんにも、2月から3月にかけて鹿児島に訪れていただいて、野球の試合を楽しんでいただくと同時に、鹿児島県の魅力にも触れていただく機会になることを期待しております。 

 終わりに、「薩摩おいどんカップ2023」が成功に開催されますこと、その経過として野球界がますます発展されますこと、また、今回鹿児島県にお越しのみなさま方がご活躍されますことを祈念いたします。

●慶應義塾大学硬式野球部 堀井哲也監督

 鴨池球場での鹿児島キャンプが3年前から始まったというご縁もあり、ぜひともこのおいどんカップに参加したい、という思いでおります。先ほど「薩摩おいどんカップ」の趣旨のご説明もありましたが、地域振興に貢献することはもちろん、参加する学生たちにとっても、地元の方の思いやご縁に触れることによって、非常に多くの学びを得ることのできる機会だと思っております。学生たちも大変楽しみにしております。

●亜細亜大学硬式野球部 生田勉監督

 鹿児島県には、9年間合宿でお世話になっており、姶良市、薩摩川内市を利用させていただいております。鹿児島では、「ただキャンプをする」「ただ野球をやって帰る」のではなく、その地域の歴史を学ぶなど、いろいろなことを考えながらキャンプをさせていただいております。9年前と今を比較すると、少年少女たちの野球人口が極端に減っております。なんとかここに歯止めをかけることができないかと、慶應大の堀井監督と相談して、「それなら交流戦をやってみたらどうだろう?」という案に達しました。アマチュア規定で、2月は学生とプロが試合をすることができません。ですので、2月は社会人チームとプロ野球が試合をやる、3月に入ったら学生とプロが試合をするという夢のカードを、ぜひ鹿児島県のみなさまに見ていただきたい、また、少年少女にも見ていただいて、夢や希望を与えることができたらいいなと考え、この企画に参加させていただきました。楽しみで仕方ありません。