いよいよ明日、10月20日に『2022年・プロ野球ドラフト会議』が開催される。今年は総勢341人がプロ志望届を提出。話題の選手の行方、各球団の戦略に注目が集まっている。

 ここではカープ選手が振り返る、自身とドラフトの思い出をお届けする。

 2018年10月、小園海斗、根尾 昂、吉田輝星、藤原恭大ら甲子園を騒がせた球児たちが次々と競合したドラフト会議で、名城大・栗林良吏の名前は最後まで呼ばれることはなかった。指名漏れを経てトヨタ自動車に進んだ栗林は、2年後の2020年、カープからの1位指名でプロの世界へと飛び込むことになる。

 プロ2年目を迎え、カープの、そして日本の守護神へと飛躍した栗林が語る『ドラフト会議』への思いとは。

2021、2022年と2年連続で30セーブ以上を達成した栗林良吏。

◆「合格発表はこんな気持ちなのかな」 そう感じながら迎えた運命の1日

─栗林投手にとって、プロ入り2度目のドラフトシーズンが近づいてきました。この季節はやはり、ドラフトの動向が気になるものでしょうか。  

「そうですね。やはり『誰がカープの選手として来てくれるのかな』というのは気になりますし、チームメートと『カープは誰を獲得するんだろう』という話にもなりますね。もちろんドラフト当日は、チェックもすると思います」

2020年、入団会見でポーズをとる広島・栗林良吏

─アマチュア時代、『ドラフト会議』に対してどのようなイメージがありましたか?  

「プロ入り前は、ドラフト会議というと、『自分の夢であるプロの舞台にいけるかどうかが決まる日』だと思っていました。僕はこれまで受験をしたことがないのですが、『合格発表を待っている時間というのは、こんな気持ちなのかな』とも思いました。ドラフトも合格発表も、どちらも『自分の人生が変わるポイント』には変わりないと思っています。その道が絶対に正しいというわけでもないですし、プロにならなかったとしても、『いい人生だった』と感じることがあったかもしれません。そういう意味でもドラフト会議は分岐点ですし、プロに入っても、たとえ入らなかったとしても、自分が進む道が決まる『人生の分かれ道』になる1日だと思っていました」

─そのイメージは、プロに入って変わりましたか? 

「そうですね。実際にプロに入って感じたことは、ドラフトにかける思いの強さや大きさは、本当に、人それぞれ違うんだということです。そういう意味では、僕の中のドラフトへのイメージは、プロに入ってから少し変わったのではないかと思います」