新井貴浩監督就任後、初となった2022年ドラフト会議。カープは育成契約を含む全10選手を指名した。支配下指名7名のうち4名が投手、そのうち3名は社会人と、課題と言われた投手陣の整備とともに野手の育成にも注力する方針が垣間見える指名となった。
新たな戦力として期待される選手たち。ここでは、育成ドラフト2位で指名を受けた中村貴浩の強みと特徴を、アマチュア野球に詳しい安倍昌彦氏が語る。
◆スイングが魅力のスラッガータイプ。確実性向上に期待したい
【九州産業大・外野手】
中村貴浩(なかむら・たかひろ)
2000年4月9日生(22歳)/右投左打/177cm・85kg
中村選手は九州国際大附高時代、アベレージヒッターでした。ジャストミートのうまい1番打者でしたが、本人としても、「スラッガーになりたい」という思いがあったのだと思います。
進学し、九州産業大に行ってからモデルチェンジをして、今はやや大振りになってしまっている印象があります。飛ばす能力は高校時代に比べて劇的に伸びたのですが、あとは精度がどれだけついてくるかでしょう。
プロの世界では、もちろん振る力も大切ですが、それと同じくらいジャストミートする力も必要になります。プロの投手は、150キロの球を当たり前のように投げてきますし、タテの変化もみんな持っています。
担当の末永真史スカウトも「打撃の確実性を高めるべき」とコメントしていますが、足と守りは良いものを持っている選手ですから、ここからの成長に期待したいと思います。