12月6日、マツダスタジアムで広島東洋カープの菊池涼介が契約更改交渉を行った。10年連続ゴールデングラブ賞に輝いた球界の名二塁手は、来季、4年契約の4年目を迎える。今シーズンは123試合に出場し、462打数121安打6本塁打45打点を記録していた。

 交渉後の契約更改会見での質疑応答は、以下の通り。

マツダスタジアムで契約更改会見を行う菊池涼介

◆しっかり体のメンテナスをして、新井監督とともに張り切ってやっていきたい

ーサインはされましたか?

「はい。複数年契約なので」

ー金額の変化はありましたか?

「いえ、特に(ありません)」

ー契約更改の場では、球団からどのような要望がありましたか?

「最初から最後まで、チームのことであったり、『ネットを張っている』といった球場の変化であったり、いろいろな意見交換をしていました」

ー菊池選手から球団に対して、施設面などの要望を出す場面があったということでしょうか?

「球場も含めていろいろな新しい変化もありますので、情報交換というか……そういう話で持ちきりでした」

ー球団から菊池選手に、プレー面に関する要望はあったのでしょうか。

「『頼りにしている』と言っていただけました。僕の年齢もどんどん上がってきましたので、しっかり体のメンテナンスをして、新監督とともに張り切ってやっていきたいなと思います」

ー先ほど『新監督』という言葉がありましたが、来シーズンに向けて、チームから具体的な要望であったり、役割といった言葉はありましたか?

「今年の最初もそうでしたが、若い選手と一緒に、小窪コーチとともに、指導というよりもアドバイスという形で意見交換をしながらやって欲しいということを言われました。僕もそういう『一緒にやる』という思いがあるので、来年も一緒に、特守であったりをやっていきたいという意見も伝えさせていただきました」

ー2022年シーズンを振り返った時に、どんなことが印象に残っていますか?

「今年に限らずですが、やはりチームがずっと苦しい中で、なんとか打破したいと思っていましたがなかなか(打破)できずに悔しいシーズンが続いていました。新しく秋山翔吾選手も入ってきて、来年は、春から1年通して初めて(秋山選手とともにプレーを)やるという楽しみもすごくあります」

ー菊池選手個人としては、10年連続のゴールデングラブ賞受賞という結果を残されました。レジェンド・山本浩二さんに並ぶ記録となりましたが、守備に関しては今シーズンご自身での手応えはありますか。

「五体満足でシーズンを通して戦える選手というのは、ほとんどいないと思います。そんな中では、離脱もありましたが、なんとか元気にグラウンドを駆け回れた方ではないかなと思っています」

ー新井監督の就任もありました。新井監督と菊池選手といえば、カープファンとしてはさまざまなシーンが思い起こされると思います。これからは監督と選手という関係に変わりますが、来シーズンは新井監督と野球をしていくということになります。これに関しての想いや、気持ちというのはいかがですか。

「僕たちは秋キャンプに参加していないので、雰囲気やどういうやりかたで(キャンプをやっていたか)ということは映像を通してでしか見ていないのですが、(キャンプから)帰ってきた若手、中堅選手たちは口をそろえて『楽しかった』『実になりました』と言っていたので、そういう意味ではすごく楽しみです。よく(新井監督に)電話をするのですが、変わらず、何か困ったらいつでも電話してきてくれという言葉もいただきました。多少なりとも、若い子たちの不満や意見というものも出てくると思うので、そこの良いパイプ役、つなぎ役として、監督としっかりコミュニケーションを取りながらチームをまとめていきたいと思います」

ー果たしていきたい『役割』というお話がありましたが、年が明けると新井カープが本格始動するという中で、菊池選手はそういった役割を果たしながら、最終的にどのようなチームになっていけば良いとお考えですか。

「僕は監督ではないので……監督がやりたいこと、やっていきたいことをしっかりと若い子たちにも伝えながら、それが一丸となれば、監督が言うような『一家』になると思います。そこを目指すためには、僕であったり會澤(翼)さんであったり、現役時代がかぶっている選手たちがしっかりとフォローしながらやっていきたいと思います」

ー今オフに取り組みたいこと、テーマなどはありますか?

「僕の年齢も34歳になりますので、体のメンテナンスがまず最優先になってきます。今年、『11年あっという間だったな』という風に振り返っていたのですが、先日金本(知憲)さんとお会いすることがありまして、『俺は36、37歳でキャリアハイだった』『お前も体が大丈夫であればいけるよ』と言葉をかけていただいたので、体のメンテナンス、自分の体がどうなっているのかを知りながら、治療しながら、ともに頑張っていきたいなと思っています」

ー金本さんからは、メンテナンスに関するアドバイスもありましたか?

「僕は『体が丈夫でなければできないですよ』と言葉を返したのですが、『体だけは気をつけてやれば、長くできると思うから頑張れ』と言ってもらえたので、改めて、自分の体と向き合ってメンテナンスしながら、チームに貢献できるように頑張っていきたいなと思っています」

ー最後に、2023年はどんな1年にしたいとお考えですか。

「勝つことがファンのみなさんにとっても一番のプレゼント、喜びに変わるので、勝ちに厳しく、一戦一戦、勝つために何ができるかと考えながら、負けた試合でも勝った試合でも『ここはああだった、こうだった』という会話ができるようなチームにしていきたいと思います」

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