12月20日、マツダスタジアムで広島東洋カープの栗林良吏が契約更改交渉を行った。プロ2年目となった2022年シーズンも31セーブを記録するなど2年目のジンクスなど感じさせない活躍を見せ、1年間を通してカープの絶対的守護神の座を守り切った。
大幅年俸アップとなった、交渉後の契約更改会見での質疑応答は、以下の通り。
ー契約更改をおこなわれましたが、本日サインはされましたか?
「はい」
ー今年と比べて金額の変化はいかがでしたか?
「大きく上げてもらいました」
ー差し支えなければ金額をお伺いできますでしょうか?
「9500万円でサインしてきました」
ー高い評価を受けていかがですか?
「1年間を戦ってきて、こういう評価をしていただけたということは、自分としてもうれしいことですし、来シーズンも今年の成績に負けないように、自分の仕事場でチームに迷惑をかけないように、やっていきたいなと思っています」
ー球団からは具体的に今シーズンの戦いをどのようにお話されましたか?
「『1年間、9回のピッチャーとしてよくやってくれた』ということと、自分でいうと少し気持ち悪いですけど、『絶対的守護神としていてくれてありがとう』ということを言ってもらいました」
ー来シーズンの話は球団からありましたか?
「球団としても『優勝したいですし、みんなで優勝して、ビールかけをしたり、優勝旅行だったりをしたいからぜひ、そこの力になってくれ』と話してもらいました」
ー今シーズン振り返って、ルーキーイヤーから、2年連続30試合登板をして、今シーズン振り返ってみていかがでしたか?
「やはり納得のいくシーズンではなかったかなと思いますし、セーブシチュエーションでも失敗していますし、なかなか0ではむずかしかもしれないですが、チームの開幕当初から自分が足を引っ張ったせいで結果的には上位にいけなかったかなと思いますので、1年間通してチームに迷惑をかけないようにやらないといけないなと思います」
ー球団からも"絶対的守護神"と言われたということで、ファンの方もそのように思われているかと思います。ご本人的には、充実感よりも悔しさの方が印象に残るシーンということでしょか?
「そうですね、悔しい思いもたくさんしましたし、シーズン序盤や最後の大事な試合で自分が負け投手になったから、結果的に5位という成績に終わってしまったので、そこに対しての自分の責任の足りなさ、自分があそこで結果を出していれば、もっと良い成績をチームとして残せていたのかなと思うので、やはり大事な試合で結果を出せるようにやっていきたいと思います」
ー2年目を過ごしてみて感じた課題や手応えはありましたか?
「手応えとしては、結果的に1年間を通しての成績としては30セーブをあげることができましたし、防御率も1点台で終えることができたので、開幕当初のつまずきから、1年間しっかり戦えたことは良かったのかなと思います。あとは一軍にいる間にしっかりフォーム修正ができた、フォーム修正することに挑戦できたのは良かったのかなと思いましたし、これからの野球人生につなげていきたいなと思いました。課題としては、四球からの失点が今年もありましたし、大事なところで四球を出して点を取られるということはなくしていかないといけないので、制球力というのは、続けて課題として取り組んでいきたいと思います」
ーご自身も強く意識されていることかと思いますが、去年に比べると劇的に四球が減っていると思うのですが、ここは意識的に取り組めているということでしょうか?
「そうですね、1年目に比べれば、数自体は減らせたので良かったのかなと思いますし、明らかにボールの球が減ってきたおかげで、1イニングの球数も減って、1年目、2年目の自分の中での疲労度も2年目のほうがすごく少なかったのかなと思うので、四球だけではありませんが、自分のカウントをつくるためにも、制球力を上げていって、どんどん成長していけたらいいのかなと思います」
ー昨年はホームラン数が1本。今年は0本でしたが、手応えはいかがでしたか?
「もちろんホームランを撃たれたら、チームの流れが相手にいってしまうので、ホームランはダメだと思いながらマウンドに上がることもあります。ただ、3点、4点差の時にはあまり気にせずマウンドにあがっているので、結果的に0で終われましたけど、運が良かったのかなと、自分の実力というか、9回のシチュエーション、キャッチャーのリードのおかげでホームランまではいっていないのかなと思います」
ー新しいチームが発足し、秋季キャンプに参加されて、短い時間ではありますが、新井貴浩監督とも時間をともにされいかがでしたか?
「やはりチームの雰囲気が明るいというのは印象的ですし、自分としても、監督が変わって、ブルペンに来てもらえた時は、1年目のときのような気持ちでブルペンに入って、アドレナリンが出て、変化球を投げたりしていたので、自分としてもこれからアピールをしていかないといけないなという感じです」
ー残り少なくなってきたオフの時間はどのように過ごされる予定ですか?
「家族との時間を大切にしたいなと思うので、このオフにしかできないこと、しっかり家族との時間を大切にして、1月からは、来シーズンに向けて調整していくことが大切だと思います。そこのメリハリはしっかりして、まずはチームに迷惑をかけないように、チームの勝利に貢献できるようにやりたいなと思います」
ー3月にはWBCの舞台がありますがここに向けての意識はいかがですか?
「もちろん、メジャーリーガーの選手たちがいっぱい参加するという表明も出ているので、自分もその舞台で戦ってみたいという思いはあるのですが、それはこれから自分がどうにかして入りたいと言ってもどうにもならないことなので、あまり意識はせず、まずはシーズン、1年間を戦うための体づくりをして、あまり“WBC”ばかりにならないようにしないといけないなと思います」
ーそのような心構えの下、仮に出場するとなった場合、調整も変わってくると思います。
「そこは選ばれた時に、コンディションが全然整っていないというのは、選んでいただいた方に失礼ですし、日本を背負って戦うというからには、必ずベストコンディションで挑まないといけないと思うので、自分としては、準備だけはしっかりしないといけないなと思います」
ー1年目にして、五輪の胴上げ投手になりましたが、やはり国際試合を経験できたことは、野球人としては非常に大きなものがありましたか?
「あのようなトップ選手の輪に入れたこと、日本を背負って戦えたこと、そして、最高の結果で終われたことはこれからの野球人生において、自分にとってもプラスですし、家族や知人が喜んでくれるというのは、自分が野球をやってきて良かったなと思う点なので、そこは変わらず、今年は特に、日本の選手もダルビッシュ(有)さんや(鈴木)誠也さんだったりメジャーの選手が参加してくれたりだとか、W杯も盛り上がっていましたし、WBCもそういう選手等のおかげで盛り上がるのかなと思います。選ばれたらチームの輪として入れるように頑張りたいと思います」
ーW杯はご覧いなりましたか?
「全試合は見ていないですが、ニュースとかで見ていましたし、日本の試合は何試合か観ました」
ー来年からトヨタ自動車の後輩選手も入団されます。何か伝えたいことはありますか?
「後輩がこの会見を見ているかどうか分からないので、ここで伝えて伝わるかは分からないですけど、最初からリリーフとしてという意思があるので、自分も同じリリーフとして、何か助けられることがあれば助けたいですし、トヨタ自動車のOBとして、結果で恩返しすることしかないと思います。中村健人もいますし、3人でチームに大きく貢献できるように、僕たち3人が活躍をして試合を勝てるように頑張りたいなとは思います」
ー改めて、新しいカープではどんな役割で挑まれますか?
「新井監督にも、“9回のピッチャーとして”と言ってもらえたので、自分もこの仕事場を守り抜いて、新井監督に、9回がしっかりしていることで考えることも減ると思いますし、逆に自分が結果を残せなかったら、いろいろ負担をかけることが多いポジションだと思うので、しっかり責任感を持って自覚を持って、3年目のシーズンも1年間、9回のピッチャーとして戦えたらいいなと思います。また、リーグ優勝に貢献して、新井新監督と、新しいユニホームをもっと日本のみなさんに知ってもらえるように頑張りたいなと思います」
ー何かタイトルなど個人の目標はありますか?
「今日の契約の時の話でもさせていただいたのですが、球団としては永川(勝浩)さんが、38セーブで歴代で1番、1年間でセーブ数を記録しているという話があがったので、そこを目標にしたいなと思いますし、セーブシチュエーションで失敗しないことが1番ですけど、永川さんの成績を超えて、セーブ王が取れたらいいなと思います」
ー改めて、2023年はどんな1年にしたいですか?
「やはり笑顔で終わって、ファンのみなさまとたくさん笑って試合が終えられるように、1試合1試合全力で挑みたいと思います。チームが変わる変化の時に自分がその中心にいられるように、自覚と責任を持って1日も無駄にしないように頑張っていきたないと思います」