広島アスリートマガジンWEBでは、これまでカープやサンフレッチェをはじめ、広島のスポーツの魅力を伝えてきた。ここでは、2022年に特に反響の多かった記事を振り返る。
2019年、巨人にFA移籍した丸佳浩の人的補償として、長野久義の獲得が発表された。多くのカープファン、そしてプロ野球ファンを驚かせた電撃移籍。移籍発表直後、広島アスリートマガジン(2019年2月号)に掲載された長野久義の特集記事を、再編集してお届けする。
◆「選手冥利に尽きる」。移籍後、長野が語った広島への思い
2019年、年明け間もない広島に驚きと歓迎の声が飛び交った。
丸佳浩がFA権を行使して巨人へ移籍して約1カ月間、カープは人的補償の人選に塾考を重ねていた。そして1月7日、球団は長野久義の獲得を発表した。
長年巨人の主軸を担ってきた中心選手なだけに、この移籍は広島のみならず球界にとっても大きな衝撃を与えるニュースとなった。
カープは丸が抜けただけではなく、新井貴浩氏の現役引退により空席となった代打の切り札も補強ポイントとなっていた。そこで白羽の矢が立ったのが長野だった。
過去に広島が人的補償で獲得したのは、2007年に阪神・赤松真人(当時25歳)、2013年に巨人・一岡竜司(当時22歳)といずれも若手選手だった。長野はプロ9年間で通算1271安打を記録しており、歴代の人的補償による移籍選手の通算安打数は2位。実績十分の実力者なだけに、広島でどんな活躍を見せるかが注目された。
長野は球団を通じてコメントを発表。
「3連覇している強い広島カープに選んでいただけたことは選手冥利につきます。自分の事を必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝利に貢献できるように精一杯頑張ります」
緒方孝市監督(当時)は「優勝、そして日本一へ向けて大きな戦力になってくれると期待しています」と、自身と同じ佐賀県出身のベテランに期待を寄せていた。