広島アスリートマガジンWEBでは、これまでカープやサンフレッチェをはじめ、広島のスポーツの魅力を伝えてきた。ここでは、2022年に特に反響の多かった記事を振り返る。

 2021年のシーズン途中から、ショートへのポジション定着を目指し奮闘を続けてきた小園海斗。2022年はショートとして127試合に出場し、473打数126安打7本塁打38打点をマークした。高校時代から『日本一のショート』への思いを口にする小園の独占インタビューをお届けする(2021年7月に収録)。

日本を代表するショートへ。小園の挑戦は続いていく。

◆攻めない守りで後悔したくない

─小園選手は、高校時代から『日本一のショート』という言葉を大事にされています。プロとなった現在も変わりはないですか?

「そうですね。日本一のショートを目標にすることに変わりはないですし、いつか『日本一のショートは小園』と言ってもらいたいと思っています。今の状況ではまだまだなんですけど、そこを目指してやるしかないですし、やっていきたいという気持ちが強いですね」

─学生時代からショートを守られてきて、守備の意識において一番大事にしていることは何ですか?

「一番は『攻めることが大事』だと思っています。臨機応変ですけど、打球によって攻めることもありますし、昨年から守っていても『攻めていく』ということはずっとやっていることです。攻めないで後悔したくないですし、技術がまだまだないのですが、日々反省をして、練習をして、うまくなっていくしかないと思っています」

─ショートの魅力、面白さはどの部分にあると感じていますか?

「やはり捕球時にジャックルもできないですし、ミスのできないポジションだと思っています。だからこそ、ショートとして1つのアウトを取れたときに魅力を感じますし、面白さというのも感じています。ミスをしたくないと考えるのではなく、攻めていく中でアウトを取ることができれば、チームに貢献できますし、サインプレーもありますし、すべての面で面白さと難しさがある部分に魅力を感じていますね」

─ちなみにカープの歴代ショートの選手のプレーは映像で見たことはありますか?

「梵(英心・現オリックスコーチ)さんや(田中)広輔さんのプレーはもちろん見たことがありますが、もっと昔の先輩方のプレーはあまり見たことがないですね(苦笑)」

◆『ショートは小園』と言われるような選手になっていきたい

─子どもの頃にあこがれていたショートの選手は誰ですか?

「地元から甲子園球場が近かったので、阪神の試合を見に行くことが多かったんですけど、阪神時代の鳥谷(敬)さんや巨人の坂本(勇人)さん、あとはソフトバンクの今宮(健太)さんをよく見ていました」

─ショートの守りで参考にしている選手などはいるのでしょうか?

「昔は憧れている選手の動きをマネしたりすることはありました。少し前は『こういうプレーがしたいな、ああいう動きをしたいな』というイメージはあったんですけど、今はないですね。実際には自分自身の感覚的な部分もありますし、グラウンドに立ってみないと分からないところもありますからね。もちろん選手間でノックを受けながら動きについて話をすることはありますが、自分がどんなプレー、動きをしているかは映像を見ないと分からないので、守りで他の選手の動きを意識するとなかなか難しい部分がありますね」

─最後にどんなショートストップを目指していきたいですか? また今後の意気込みをお願いします。

「やはり、見えないところでもカバーできるような、そういう選手になっていきたいです。まだまだ教えていただくことも、学んでいかないといけない部分も多いので、そういう課題を1つひとつ潰していければ、隙のないショートになっていけると思います。そして『ショートはやっぱり小園だな』と言ってもらえるようになりたいですね。今後については、前半戦に出られなかった試合もあるので、後半戦は残り試合全部出れるように頑張りたいと思います」

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