12月19日、マツダスタジアムで戸根千明の入団会見が行われた。戸根は日大から2014年ドラフト2位で巨人に入団。2015・2016年には40試合以上に登板し、主に中継ぎとして活躍した。2022年12月に行われたNPB初の現役ドラフトで巨人から広島へ移籍が発表されている。広島からは、正隨優弥が楽天へ移籍することが発表された。

 入団会見での質疑応答は、以下の通り。

マツダスタジアムで入団会見に臨んだ戸根千明。背番号は『49』に決まった。

◆カープファンの熱い応援に負けじと、広島を熱く盛り上げたい

ー会見を迎え、今の率直なお気持ちは?

「こんなにたくさんの人に囲まれるのはすごく久しぶりなので、久しぶりに緊張しています」

ー初の現役ドラフトでの移籍となりました。

「そうですね。初めての試みということなので、その第一号になれたということはすごく名誉なこと、誇りに感じて良いのではないかと思います」

ー移籍の連絡をもらった時は、どのように感じられましたか?

「巨人の副代表からお電話をいただきました。自分自身、その日が現役ドラフトの日だということは分かっていたので、『あ、僕、どこか移籍するんだな』という気持ちはありました。そこで『(移籍先は)カープだ』という話をいただきました。青天の霹靂ではないですが、素直に驚きました」

ー背番号は決まりましたか?

「49番をいただきました」

ー改めて、カープのユニホームで背番号49をご覧になっていかがでしたか。

「ずっと巨人で8年間野球をやってきたので、他のチームのユニホームを着るということがあまり現実的ではなかった部分もありました。これからカープのユニホームを着て投げると思うと、楽しみでいっぱいですね」

ーカープがある広島という土地の印象は?

「高校が島根県(石見智翠館高)だったんですけども、高校時代は広島に練習試合や試合などで数多く来たことがありました。広島は、すごくみなさんが温かいといいますか、人情あふれる、熱い方たちばかりという印象があります。僕も熱い人間なので、負けじと広島を盛り上げていければと思います」

ーカープというチームのイメージは?

「戦術的な面では、すごく足を使って攻撃をしてくるイメージが(ありました)。3連覇していた時の2016・2017・2018年は、足が早いランナーが塁に出ると(その後ろに)丸(佳浩)さんやエルドレッドがいて……ということもあって、投手の立場からすると堪らなかったですよね。すごく足でかき回されて、長打を打てる打者につないで、という隙のない攻撃をしてくるチームだというイメージがありました。あまり対戦したくないなという印象が強かったです」

ーカープで交流のある選手はいらっしゃいますか?

「昨年、島根県で野球教室(プロ野球現役選手によるシンポジウム『夢の向こうに』の一環)をさせていただいた時に、森浦(大輔)くんとケムナ(誠)くんと交流があった程度です。あとは(今シーズンまで広島でプレーした)長野(久義)さんは日大の大先輩でもあります。交流があったのはその3人くらいですね」

ー入団が決まって、カープの選手と会話やコミュニケーションはありましたか?

「長野さんに『カープに行くことになりました』と連絡すると、いろいろな方面にご配慮いただいたようで、カープの関係者や選手から、たくさん電話がかかってきました。長野さんにはすごく感謝しています」

ーご自身のアピールポイントは?

「特に左打者に関しては、絶対的な抑える自信を持っているので、まずはそこを抑えていきたいなと思います。ショートイニングであればしっかり力を出せるタイプなので、まずは力を出せるように、しんどい時も良い時も『僕が投げる』という気持ちでいけたらと思っています」

ー中継ぎとして期待がかかると思いますが、ファンにどんな姿を見せていきたいですか?

「いつでもどこでも、大変な時でも、良い時でも、僕が行けばという選手になれればと思います」

ー新井監督は、現役時代に対戦経験のある戸根投手について「打てるものなら打ってみろ」という投げっぷりを評価されていました。この言葉を受けて、どう感じられますか?

「マウンドに上がる時に僕が大事にしていることに、雰囲気というか、『気持ちで負けたら絶対にダメ』というものがあります。そこで、いかに闘志を剥き出しにできるかどうか。新井監督が表現されたような『打てるもんなら打ってみろ』という気持ちは投手として一番大事なものだと思いますし、そこがしっかりすれば、球に(気持ちが)乗り移る部分もあります。僕も野手をやった経験がありますが、投手に闘志剥き出しでこられると、やはり“(雰囲気に)飲まれる”というか、打者はどうしても受け身なので、嫌な部分を感じることがあります。そういったところを評価してもらったのではないかと感じます」

ー新井監督の印象は?

「現役時代は長打も打てて、うまさもあって、すごく嫌な打者だなというイメージはありました。テレビなどで拝見させていただくと人柄もすごく良く、良い人そうで、優しそうな方だと感じました。新井監督のために、しっかり活躍できるようにやっていきたいと思います」

ーこれからは、古巣・巨人と戦うことにもなります。そのあたりはどう感じておられますか?

「まだ巨人相手に投げていないというのもありますが、そこに特別な感情がないというと嘘になります。だからこそ、巨人には良い意味での“恩返し”というか……しっかりと抑えていければと思います」

ーキャンプインまでのオフの予定は?

「引っ越しです」

ーオフの期間、野球にかかわる部分での調整や準備はどのようなものを予定されていますか?

「いろいろと予定が変わった部分もあるのですが、東京で自主トレをしているので、それをしっかりと継続しながら、引っ越しもやっていけたらと思っています」

ー来シーズンの目標をお聞かせください。

「具体的な数字よりも、まずは戸根千明という投手が広島カープにいるということを広島のみなさんに知っていただきたいです。投げる回数が増えれば、おのずと『カープに戸根という投手がいるんだ』と知ってもらえると思いますし、それが一番だと思うので、マウンドにたくさん上がること(を目標にしたい)です」

広島アスリートマガジン12月号は、『恩師と選手が語る新指揮官の魅力』を大特集。 新井貴浩監督の話をしよう。月刊誌でしか見ることのできないビジュアルも満載です!