3連覇達成後、カープ徐々に世代交代が進んでいる。そんな状況下で主力としてチームをけん引し続けるのが會澤翼だ。来季2023年は、自身が『心から尊敬している』と語る新井貴浩監督のもと4年ぶりのリーグ優勝、そして悲願の日本一を目指すシーズンとなる。

 来季プロ17年目を迎える背番号27に、新井監督への思いを聞いた。

新井監督とは共に護摩行にも取り組んだ會澤翼。2023年は監督と選手という関係で、新たなシーズンを迎える。

◆“雲の上の存在”だった第一印象。今では心から尊敬できる存在に

─新井監督が就任されて約2カ月が経ちました(取材は12月)。監督就任の第一報を聞いた時の思いはいかがでしたか?

「びっくりした、というのが一番です。また一緒にユニホームを着ることができるという喜びもありました」

─思っていた以上に早く、再び同じユニホームを着ることになった印象でしょうか。

「新井監督が引退された時に、何年か後にはまた一緒にユニホームを着たいとは思っていました。まさか自分の現役中に叶うとは思わなかったので、とても驚いています」

─新井監督の就任会見をご覧になって、どのように感じましたか?

「新井監督らしいな、さすがだなという思いでした(笑)」

─会見で印象に残った言葉などは?

「言葉というよりも、『チームを強くする』という思いを感じました」

─監督にはもうお会いされましたか?

「はい、お会いしました。『チームを強くするためには』という話もしましたし、それ以外の話もさせていただきました。野球ではない部分の話の方が多かったかもしれませんね。僕が日本プロ野球選手会の会長に就いていることもあり、野球界全体の話もさせていただきました。新井監督もそうした立場に立った経験のある方ですから、さまざまなアドバイスもいただきました」

─會澤選手のプロ1年目は、新井監督が阪神に移籍する前年の2007年でした。当時、會澤選手にとって新井監督はどのような存在だったのでしょうか。

「最初は〝雲の上の存在〟ですね。『テレビの中の人だ!』というのが、合同自主トレで初めてお会いした時の印象でした。当時はまだ入団したばかりだったということもあって、挨拶程度の会話しかできませんでしたね」

─新井監督が阪神時代、會澤選手は一軍で試合に出場されていた時期でしたが、どのような印象をお持ちでしたか?

「人気球団である阪神の主力を任されている姿を、すごいなと思いながら見ていました。チャンスでよく打つ印象があったので、対戦相手としてはすごく嫌な相手だなとも思っていましたね(苦笑)」

─新井監督がカープに復帰されて、一気に関係性が深まったと思いますが、きっかけは何だったのでしょうか。

「石原(慶幸)コーチですね。石原コーチにはよく食事に連れて行っていただいて、次第に新井監督との食事にも連れて行っていただくようになりました。食事に行くとほぼ野球の話がメインで、技術以外の面でも、学ぶべきところが本当にたくさんありました。そこで新井監督から学んだ人間性や、プレー以外の普段の行動などが、今の會澤翼をつくったといって良いと思います。すごく尊敬できる言葉、心に残る言葉を、たくさんかけていただきました」

─會澤選手は、新井監督と護摩行にも行かれていました。どのようなきっかけで参加されるようになったのでしょうか。

「いろいろな理由があったのですが、『新井監督のような人間になりたい』、『こういう人間性になりたい』と思ったのも大きな理由ですね。本当に、心から尊敬できる方なので、一歩でも近づけたら良いなという思いがありました」

広島アスリートマガジン1月号は、新井新監督特集第3弾『新井貴浩監督の“全力”所信表明』!新監督を支える選手・コーチ陣インタビューも必見です。