「みなさんを喜ばせ、みなさんの心を真っ赤に燃えさせるようにしたいと思います」
監督就任会見で力強い言葉を発してから、約3ヵ月が経過した新井貴浩監督。さらに球団アドバイザーとして黒田博樹氏の就任も発表され、新井カープへのファンからの期待もますます高まっている。ここでは、監督としてのビジョンを中心に誌面上で“所信表明”を行ってもらった。
◆黒田アドバイザーからの後押しで、背番号は現役時代と同じ『25』
─背番号についてお聞きします。ユニホーム記者発表会見の際に、非常にユニークな形で監督としての背番号を発表されました。再び25番を背負うとなったときはどういうお気持ちでしたか?
「最初は、球団と背番号の話になったときに『何番をつける? 25番をつける?』と言われて、自分としては、現役時代の背番号だし、もう選手ではないので『今度は選手をマネージメントする立場だから25番じゃなくていいですよ。大きな番号でいいですよ』と言ったんです。その後、黒田さんと食事をしているときに『ところでお前、背番号は何番になるんだ?』と聞かれて、『球団からは25番をつけるか?と言われたのですが、それは選手ではないので、大きい番号でいいと返答したんです』と伝えると、黒田さんから『なんでや、お前25番つければいいじゃないか。メジャーなんて、1桁をつけている監督だっているぞ』と言われたんです。今も高津臣吾監督(ヤクルト)など、日本の監督でも現役時代の背番号をつける監督も増えてきていますからね。ただ、自分の中では、『でも……そんな……着けにくいですね』と言ったんです。そうすると、『ファンの人はお前が25番をつけているのを見たいはずだぞ』と言われて、そうなのかなと初めて思ったんです。それで球団に『25番でも何番でもいいので、お任せします』と伝えたら『そうしたら25番で』と球団から言われ、25番になったという流れですね」
─いまお名前があがりました黒田博樹さんですが、球団アドバイザーに就任されました。カープファンの方々も非常に驚いた人事でした。
「引き受けていただいて素直にうれしいですね。自分が監督に就任すると決まったときに、すぐ黒田さんには連絡をしていて、『何らかの形で、何でもいいので、力を貸してくれませんか? 手伝ってもらえませんか?』と言っていたんです。黒田さんは責任感の強い方ですし、周りのこともすごく考えられる方です。『分かった』と言っていただくまで、考えられる時間があったんですが、最終的にアドバイザーを引き受けていただけて、すごくうれしかったですね」
─監督自身はアドバイザーの黒田博樹さんと、どのような形でコミュニケーションを取っていきたいと考えておられますか?
「一軍だけではなく、二軍、三軍も含めて、チーム全体を見てほしいとお願いしていますし、黒田さんに全部お任せしています。一軍だけではなく、二軍で頑張っている若手の投手なども全部を見てくださいと。また、〝黒田さんのスタンスで、黒田さんの距離感で〟という風にも伝えてさせてもらっています」
─現役時代、共に戦って、尊敬する先輩のお一人でもあると思うのですが、こういう形でまた戦えるということは新井監督としてもモチベーションの1つとなるのではないでしょうか。
「もちろんそうですね。黒田さんがアドバイザーをやっていただけるということはすごくうれしいですし、自分より今の投手陣がうれしいのではないかと思いますね。今の投手陣は、黒田さんと現役を一緒にやっている投手の方が少ないと思いますし、黒田さんと現役を共にした投手陣は、またアドバイスをもらえるからうれしいと思いますし、経験していないピッチャーにとっては、黒田さんの言葉がすごく響くと思うんですよね。だから、そういう若い投手たちが、すごく楽しみにしているのではないかと思いますね」
─監督自身が楽しみにしているところでしょうか?
「もちろんです。チームにとってどう考えてもプラスしかないですよね。黒田さんの培ってきた経験であり、技術、野球に対する取り組み方、姿勢、全てにおいてカープの投手陣にとってプラスしかないと思うので、楽しみですね」