J1リーグ戦3位、天皇杯準優勝、ルヴァン杯優勝。クラブ史に残る大飛躍を見せた2022年のサンフレッチェ広島。
ここでは、広島とサンフレッチェを愛するOB吉田安孝氏と森﨑浩司アンバサダーが、クラブに初のカップ戦タイトルをもたらしたルヴァン杯と、来季への期待を熱く語ります!
◆絶望から立ち上がり、カップ戦初優勝をつかみ取った激動の1週間
ー天皇杯とルヴァン杯の決勝戦は10月16日と22日という非常に近い日程になっていて、選手にとってもファン・サポーターにとっても特別な1週間になったと思うのですが、お2人はどのようにご覧になっていましたか?
森﨑「天皇杯が獲れればルヴァン杯も……とは思っていました」
吉田「そうだよね。逆に天皇杯を落とすと、ルヴァン杯も危ないんじゃないかという想像もしていた」
森﨑「それだけになんとも言えない、重苦しい1週間でしたね……(苦笑)」
吉田「ただ、ルヴァン杯の決勝は、クラブの歴史の中でもトップクラスの素晴らしい試合だったと思う。サッカーの魅力を感じさせてくれた、そんな一戦だったよね」
森﨑「サッカーの奥深さというか、『こういうことが起きるんだな』というのを感じましたね。〝劇的な試合〟という意味では、クラブ史上でも上位に入ると思います」
吉田「天皇杯のショックから這い上がったことで、余計に価値がある優勝になったというか。両方を経験できたということも、若い選手にとっては大きかっただろうしね」
ー森﨑さんはアンバサダーとしてクラブとファン・サポーターをつなぐお仕事をされていますが、今シーズンは今までとは違う雰囲気や盛り上がりを感じましたか?
森﨑「まず、サッカーのスタイルが攻撃的で魅力的なものに変わって、結果以上に内容でみなさんが満足されたのではないかなという印象はあります。いろいろなところで『今年のサンフレッチェのサッカー、面白いよね』という声もかけていただいて、それもすごくうれしかったですね。あとはやっぱり、『声出し応援』の復活が大きかった」
吉田「うん、あれは大きいね」
森﨑「サッカーを見ている方たちにとっては『声出し応援』も醍醐味の一つだと思いますし、キャプテンの(佐々木)翔も、久しぶりにサポーターの声援を聞いて『涙が出そうになった』と話していました。『声出し応援』で選手たちの背中を押してもらえたというのも良かったですよね」
吉田「サッカーの醍醐味は点を取ることだけど、今年のサンフレッチェは守備の時間も見ていて楽しいんだよね。そうした得点シーンだけではない楽しさを、サッカーを知らない人にも伝えることができたシーズンでもあったと思う」
森﨑「そうなると、テレビでサンフレッチェを伝える立場のコメンテーターとしても……?」
吉田「もちろん、楽しいよ!(笑)」
森﨑「そういう意味では、僕たちも本当に楽しく仕事ができた1年でしたね(笑)」