◆優勝したら、どんな気持ちになるのか

 後悔しないような選択―クロにとっては、カープに戻ることがそういうことだったのだろう。広島で食事をしているとき、クロの言葉で感銘を受けたものがある。

「向こうに行ってもずっとカープの動向は追ってました。今、カープは優勝を狙えるチームになったし、僕はもうそれほど野球人生が長いわけではないんです。だから……最後はカープで優勝したい」

 そのチーム愛、カープ愛については、どんな表現をもってしても代えられないものだと僕は思う。

 もしもカープが優勝したら、僕はどんな気持ちになるのだろう? きっと素直に喜ぶだろう。2015年はチャンスというか、もうチームは優勝しか意識していないと思う。緒方(孝市)にはプレッシャーをかけるようで悪いが、残された場所はそこしかない。クロのこともあり、2015年はかつてなく注目されるシーズンになるだろう。

 機動力を中心とした野球、という大枠は変わらないと思う。僕は緒方の目指す野球を理解しているつもりだし、彼の厳しさによってチームは間違いなく良い方向に進んでいくはずだ。