◆またユニホームを着ることはあるのか?

 これからまたユニホームを着ることはあるのか? その問いに関しては「わからない」としか答えられない。僕は先のことはまったく考えていない。

 また野球をやりたくなることがあるのか、自分が必要とされる状況がくるのかは不明だが、僕にはこの5年間で受け取った大きな財産がある。それが生かせるのであれば、どんな形でも野球界には貢献していきたいと思っている。

 僕は現役を引退するとき、子どもたちに向かって「野球はいいもんだぞ。野球は楽しいぞ」と語った。その気持ちは監督職を経験した今でも変わらない。野球に対する愛情も変わらない。僕は野球を通じて社会を学び、野球のおかげで成長させてもらえた。

 僕にとってスポーツとはつまり、誰かを勇気づけること―。今後もそこに携わっていけるのであれば、これほどうれしいことはない。