2010年から5年間カープを率い、25年ぶりの優勝への礎を築いた野村謙二郎元監督。この特集では監督を退任した直後に出版された野村氏初の著書『変わるしかなかった』を順次掲載し、その苦闘の日々を改めて振り返る。
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 僕個人としては、今後またアメリカに渡って野球を勉強したいと思っている。

 まずは2015年2月17日からの2週間、ボストン・レッドソックスの臨時コーチとして、フロリダのフォートマイヤースに行くことが決まっている。レッドソックスのユニホームを着て、グラウンドレベルで野球を見せてもらうのだ。

 レッドソックスは初めてだが、アラード・ベアードという球団の副社長に声をかけてもらった。彼はロイヤルズ時代、メディーナの上司だった人物で、その後レッドソックスに籍を移し、副社長と編成のトップを兼任していた。彼は日本の野球にすごく興味を持っていて、僕が監督を辞めたと告げると「すぐにきてくれ」と連絡があったのだ。

 僕は日本ではカープだけで17年間選手として過ごし、5年間監督として過ごした。だから他のチームのスタイルというものにとても興味がある。

 レッドソックスでは2月19日に行われる、全コーチが出席するスタッフミーティングにも参加させてもらう。その後はアリゾナに移動して1週間ほど試合を観てくる。

 僕にとって野球は人生そのものであり、やっぱり野球が好きなのだ。今の時代に合った野球とはどういうものか? 今後日本の野球はどのように変わっていくのか? それを今度は外の視点から再び追究していくつもりである。