◆熱い声援を送ってくれたファンの方々へ

 最後に、改めて広島東洋カープというチームに感謝の意を捧げたい。

 戦後の焼け跡の中で生まれたチームが、さまざまな危機を乗り越え66年も続いてきた。カープは広島という街の誇りであり象徴である。選手にはこの歴史を踏まえた上で戦ってほしいし、今後も広島県民の力をもっともっと引き出してもらいたい。

 そして一緒に戦ってくれた選手、コーチのみんなにもありがとうと伝えたい。在職中は厳しいことも言ってきたが、16年ぶりのAクラスというのは彼らとともに勝ち獲ることができた最高の勲章である。

 何より、この本を手に取ってくれた読者の方、そしてどんなときでもカープを愛し、一致団結して熱い声援を送ってくれたファンの方々に、今一度心の底からお礼の言葉を述べさせてもらいたい。

 この5年間、あたたかく見守ってくださり本当にありがとうございました。これからも末永く、カープという球団を応援してください。

●野村謙二郎 のむらけんじろう
1966年9月19日生、大分県出身。88年ドラフト1位でカープに入団。プロ2年目にショートの定位置を奪い盗塁王を獲得。翌91年は初の3割をマークし、2年連続盗塁王に輝くなどリーグ優勝に大きく貢献した。95年には打率.315、32本塁打、30盗塁でトリプルスリーを達成。2000安打を達成した05年限りで引退。10年にカープの一軍監督に就任し、積極的に若手を起用13年にはチームを初のクライマックス・シリーズに導いた。14年限りで監督を退任。現在はプロ野球解説者として活躍中。