2月25日に行われたJ1第2節でアビスパ福岡がC大阪に競り勝ち、地元で今季初勝利をマークした。

25日のC大阪戦に臨んだ福岡のスターティングメンバー

 両チームともに今季初勝利を目指す一戦、アウェーとなった開幕戦で0-1で神戸に敗れた福岡は、J1鹿島から完全移籍加入の小田逸稀が初スタメン、注目の井手口陽介はベンチスタートとなった。一方のC大阪は前節、新潟相手に2-2のドロー。この日は昨季まで福岡に所属していたクルークスが古巣相手にスタメン、香川真司は2試合連続で先発を外れた。

 終始雨模様となった一戦。試合は前半から両チームともにチャンスを生み出した。23分、C大阪は舩木翔のパスを受けた上門知樹がゴール中央からシュートを放つも、GKの好セーブに阻まれる。一方福岡も38分、右サイドの湯澤聖人からの鋭いクロスに、小田が左足で合わせるも、わずかに枠を捉えきれず。両チーム無得点で前半を折り返した。

 後半早々に試合は動いた。後半2分、福岡はショートカウンターから山岸祐也、ルキアンとつないで前寛之が左足で合わて先制点を奪う。「ゴールとしては難しくなかったですけど、キャンプからやってきたことが実践でできて良かったと思います。昨年0ゴールで、今年は結果にこだわっていきたかったので、今日得点できてよかったです」。今季チームとしての初得点が貴重な先制点となり、福岡が試合の主導権を握った。

 C大阪は後半14分、右サイドからのパスを受けた上門がゴール中央から左足を振り抜き、豪快なゴール。同点として試合を振り出しに戻した。その後、同点のまま試合は進み、C大阪は後半26分に香川真司を投入、一方の福岡は後半34分に金森健志、後半41分には井手口陽介らを入れるなど、5選手を交代させながら勝ち越しを目指した。

 1-1の同点で迎えた後半43分、終盤に再び試合が動いた。金森が途中出場の前嶋洋太からのクロスに見事な反応を見せた。「洋太が良いパスを上げてくれたので、合わせるだけでした」。頭でゴール右隅に流し込んだ。試合終了直前の勝ち越し点となり、金森はサポーターの元へ走って喜びを爆発させた。福岡はそのまま逃げ切り、2-1で今季初勝利を地元で飾った。

 試合後、福岡の長谷部茂利監督は「前半前節と少し似たような、ボールを握って攻撃できる時間帯があった。前回の学びから後半、自分たちの色を出していけるようにハーフタイムに指示して真っ先に後半得点してくれた。2点目を取った形も含めて素晴らしかった。危険なところもあったけれど、チームとしてよかったと思う」と振り返った。

 昨季、リーグ最少となる29得点と決定力不足が課題の福岡。ホーム開幕戦で初得点を含む2点と、リーグ2戦目で良い形での勝利となった。地元での初勝利をきっかけに次節以降も勢いに乗りたいところだ。