2020年もエースとして大車輪の活躍が期待される大瀬良大地投手。今回は、そんな大瀬良投手がカープに入団する前、2013年の冬に『広島アスリートマガジン』に掲載された秘蔵インタビューを一部紹介。第2回目は大学進学の理由や、自身の担当である田村恵スカウトについて語っています。
(『広島アスリートマガジン』2013年12月号掲載)

九州共立大のマウンドに立つ大瀬良大地。このマウンドがカープの背番号14を育ててきた。(2013年撮影)

◆大学で身につけた“心のゆとり”

―― 高校時代には、すでにスカウトから注目されていました。プロ志望届を出さずに大学に進学したのはどうしてですか?
大瀬良 僕自身はプロに行きたいなっていう思いはあったんです。でも、高校の監督と話し合って、今のままでは体が細いということと、実績も高校3年生の甲子園しかなかったので、「大学に行って日本代表とかに選ばれるような力をつけて、即戦力投手としてドラフト1位でいけるように頑張れ」って監督に言われてから気持ちを切り替えてやっていこうと、志望届を出さなかったんです。最初はやっぱり、僕も欲が出ていたので「志望届を出したいな」って思っていたんです(笑)。でも、高卒でプロに入れたとしても当時のままだったら活躍できる選手にはなれていなかったと思います。

―― なるほど。その後、大学進学を決めたわけですが、プロに入る上でこの4年間で得たものは何ですか?
大瀬良 心の持ち方ですかね。高校と大学1年生のときはただ投げることだけで精一杯でした。でも上級生になるにつれて徐々にゆとりが出来て、いろいろなことを考えられるようになったのは良かったと思います。

―― どうして心にゆとりが持てるようになったのですか?
大瀬良 上級生になったというのもあるんでしょうけど、大学に入って日本代表とかレベルが高い野球を何度も経験させてもらったことが大きいと思います。レベルの高いところに入ったことで、視野が広がって、心に余裕が出来たということだと思います。

―― 代表に入って得たことはありましたか?
大瀬良 いろいろなチームの人たちの中で、一緒に野球をやって技術的なこととかも聞いたりしました。レベルの高い人たちが集まっている代表に入ることで自分にとっても良い自信になりました。

◆印象的だった田村スカウトの姿

―― では、4年間いろいろな経験と自信を得て迎えたドラフト当日はどんな気持ちでしたか?
大瀬良 それが結構普通でした(笑)。午前中に練習して、昼にマネージャーと野球ゲームをして、ぎりぎりまで待っていたという感じなんです。いつも通りに過ごしたっていう感じですね。前日までも特に何も変わらず、正直「ついにドラフトだ」っていうのもなかったんです。でも、みなさんにたくさん取り上げてもらっていたことで、近づいている感じはしましたけど、緊張感はなかったですね。

―― 指名されたときは、率直にどんなお気持ちでしたか?
大瀬良 実際に自分の名前が呼ばれて、画面に名前が載っていることに実感が湧きませんでした。実は緊張もしていなかったんです。でも、さすがにクジ引きのときはどうなるんだろうってドキドキしましたね。どの球団に決まるのかなって思ってみていました。