B1リーグに進出して3年目を迎えた広島ドラゴンフライズ。一度はドン底を味わい、そこから少しずつ上位リーグで通用するチームづくりを行なってきたミリングヘッドコーチ。彼が大切にする、チームづくりの哲学を語ってもらった。

試合中コートを見つめるカイル・ミリングヘッドコーチ

◆自分の仕事に誇りを持っていることは、日本の素晴しさ

―個性の違いももちろんありますが、指導をする上で外国のチームと日本のチームの違いはどんなところでしょうか。

 「ヨーロッパのチームは、毎試合必ず勝たなければいけないというプレッシャーがとても大きいのです。勝つためだけに選手・スタッフを含めた人事の入れ替わりがすごく激しいですね。シーズン中でも変わりますし、勝ちに対する緊迫感は日本以上にあります。ただ、そういったスタイルだと、チームの考え方をしっかりと浸透させることが難しいのです。もちろん勝ちにこだわるのは日本でも一緒ですが、日本はもっと長期的なスパンで、大きな目標に向かって取り組んでいく傾向があります。若い選手を育てながら、じっくりと辛抱強く勝ちにこだわるスタイルです」

―日本のチームをマネジメントする上で、良かった点はありますか。

 「日本の文化として、お互いをリスペクトするという点です。献身的な姿勢や、今取り組んでいることを一生懸命に頑張るという点は日本のチームの長所です。その他にも選手をはじめ、周りのスタッフも、自分の仕事に誇りを持っている点は、素晴らしいと思います」

カイル・ミリング
1974年7月27日生、アメリカ出身。1998年からの2シーズンは日本(日立大阪ヘリオス)で選手としてプレー。2011年に選手を引退し、教員としてカリフォルニア州の高校でバスケットボールの指導を行う。2013年からはフランスリーグでアシスタントコーチを務め、2015年に横浜ビー・コルセアーズのヘッドコーチに就任。2021年からは広島ドラゴンフライズでヘッドコーチとして指揮を執っている。

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