「今は与えられた場所で全力を出し切るだけ」カープのドラ3ルーキー・岡本駿の思い｜carp｜編集部コラム

　春季キャンプを一軍でスタートすると、開幕一軍入り、開幕戦でのプロ初登板も果たしたカープのドラフト3位ルーキー・岡本駿。甲南大初のプロ野球選手としても注目を集めた本格派右腕が、プロの世界を体感したキャンプからシーズン開幕、そして、プロ初勝利を振り返る。（取材日：7月上旬）

入団時の目標である開幕一軍を成し遂げた岡本。次なる目標は・・

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◆リリーフで投げさせてもらっていることは、すごくやりがいを感じている

ー甲南大１年の頃からスカウトの方が見に来ていたということですが、当時、何か感じるものはありましたか？

「僕が大学１年生の頃はスカウトのみなさんは黒原（拓未、関西学院大）さん目当てだったので、僕が投げるときはどこかへ行かれていました（笑）。なので、僕が黒原さんのことをすごいなと思いながら見ていました」

ーカープ入団後、１月から先輩選手との合同自主トレが始まりました。

「『テレビで見てた人や』という感じでしたね。僕も身長は高い方なのですが、みなさん大きくてやっぱり厚みが全然違いました」

ー春季キャンプは一軍スタートを勝ち取りました。初めてのキャンプはどうでしたか？

「最初は気を遣うところもたくさんありましたが、先輩方みなさんがとても優しく接してくださって、沖縄にいる頃には少しは慣れてきました。ただ、初めてのプロのキャンプなので、ついていくので必死でした」

ー野球漬けの毎日はどうでしたか？

「そうですね。当たり前ですが、毎日朝早くから練習があったので、キツいと感じる部分はありました」

ー同期の佐藤柳之介投手も一軍でしたが、どんな存在でしたか？

「柳之介とは、練習中も一緒、帰っても一緒みたいな感じだったので、同じルーキーでもありますし、すごく心強かったです」

ーブルペンでのアピールなどは初日から意識されていましたか？

「最初から力を入れてはいたのですが、周りの先輩たちがすご過ぎて、『やばい……』みたいな感情で、迫力がすごかったです」

ー印象に残る先輩投手は？

「みなさんすごいのですが、ブルペンには年齢順に入るので、年が離れた先輩投手の投球は見られませんでした。滝田（一希）さん、常廣（羽也斗）さん、松本（竜也）さんの隣で投げることが多かったのですが、みなさんに負けじと投げたら、力んでワンバンになったりして（苦笑）。周りに合わせているとダメだと思い『自分のペースで投げよう』という意識に変えました」

ー開幕一軍に向け、どんな思いでオープン戦に臨まれましたか？

「オープン戦は、全試合全力で投げてきました。ただあのときは、たまたま抑えられているんだろうなみたいな感じでしたね」

ー開幕一軍入りが決まったときはどんな思いでしたか？

「良かった、という思いだけでした」

ー開幕戦の９回、プロ初登板でした。

「オープン戦のときもファンのみなさんの前でプレーして、『すごいな』と感じていたのですが、開幕戦はお客さんが満員だったので少し緊張もありましたが、しっかり集中できていましたね」

ーその後5月13日の巨人戦（マツダスタジアム）で12回に登板し、チームはサヨナラ勝ちでプロ初勝利を手にされました。

「キャベッジ選手に“ホームランを打たれた”かと思ったのですが、奇跡的に入っていなくて、運が良かったです。その後モンテロ選手が打ってくれて、本当にうれしかったです」

ー記念Tシャツも発売されましたね。

「みなさんが練習とかでも着てくれていて、うれしかったです。知り合いにあげようと思い、自分で買ったのですが、みんな買ってくれていて（笑）。それもまたうれしかったです」

ー御両親などから連絡はありましたか？

「ありました。『おめでとう』と言ってもらいました。大学の谷口（純司）監督や、コーチ、同級生のみんなからも『おめでとう』と、めちゃくちゃ連絡がきました」