正確無比なスリーポイントシュート、 警戒する相手を引きつけて隙を突くパス。バスケットボール界の名門と言われる学校やチームを経て、日本を代表する選手へと成長した辻直人選手が、2022−23シーズンのチームキャプテンに任命された。これまでの数々の経験を活かし、チーム史上初のCS進出へと導いたそのチカラの秘密を伺った。(2023年4月7日取材)

広島ドラゴンフライズ SG #3 辻 直人選手

◆常勝チームとの差を縮めるために

―30代になられて、なにか体の変化を感じますか?

「大きな変化は、まだ感じていないですね。でも体が温まりにくくなったかもしれません。20代の頃は、少し準備すれば思うように体が動かせていたのですが、準備に時間がかかるようになったかもしれません。試合ではスタートから全開で動いていかないといけませんから、時間をかけてアップをするように意識し始めました」

―CSに向けて、チームの状況、意気込みを教えてください。

「今回のCSに向けての戦い方、CSでの戦い方、激しくエネルギッシュな戦いが始まりますので、そこに向けてこの1カ月をどう過ごしていくかというのは大切です。2月の3週間くらいの休み明けから、強豪チームに負けが続いてしまいましたが、そこからうまく立て直すことができ、チームの状態が良くなりつつあります。

カイ・ソットが途中加入してきて、最初はあまりうまく彼を使うことができなかったのです。ただ自分たちもソットが入っての戦いに慣れてきて、良くなってきているなと感じています。僕らはあくまで優勝が目標です。優勝するためにはソットをもっと効果的に使うとか、高めないといけない部分がまだまだあります。

課題としては明確に見えているので、CSでもう一段階ギアを上げられるチームに仕上げていくために取り組んでいます。全てはCS優勝のためにつながっていると思います。相手がどのチームであろうと全力でぶつかって、勝つことにこだわるのは変わりないですから全力でいくだけです」

―大きな声援を送ってくれる、ブースターへのメッセージをお願いします。 

「CS出場というのは、ドラゴンフライズにとって初めてのことですが、そこで満足せずに、僕たちの目標・優勝に向けて、みなさんと一緒に戦っていきます。最後にみなさんと一緒に喜べたら最高ですので、引き続き、熱い応援をよろしくお願いいたします!」

辻 直人(つじ・なおと)

1989年生まれ、大阪府出身。バスケットボールの名門である京都・洛南高では2年時にインターハイ準優勝、ウィンターカップで優勝。3年時にはウィンターカップ連覇を成し遂げた。青山学院大学の4年時には、関東大学リーグや全日本大学選手権で連覇を果たし、MVPに選ばれる。卒業後の2012〜21シーズンには川崎ブレイサンダースに所属し、常に上位の成績を収める強豪チームの一員、また日本代表として活躍。2022年から広島ドラゴンフライズに加わり、今シーズンからチームキャプテンとして選手たちを牽引している。

広島アスリートマガジン5月号は、「まだ見たい!もっと見たい!」勝利を知る経験者たちの魅力をお届け!CS初進出に導いた経験者・辻 直人選手独占インタビューのほか、カープ3連覇を支えた投打の主力たちの現在地に迫ります。