交流戦から一気に投打のバランスが崩れたカープ。田中広輔選手の離脱に続き、中﨑翔太投手も二軍降格を味わった。

 球団新記録となる月間20勝の勢いも、鬼門の前には無力化を余儀なくされた。交流戦の初戦でサヨナラ負けを喫すると、それ以降は好調を維持していた打撃陣が一斉に沈黙。荒稼ぎした貯金は一夜ごとに目減りし、6月18日には首位の座から転落した。

 5年ぶり4度目の交流戦単独最下位が決まると、負の連鎖はさらに加速した。交流戦以降、12球団ワーストのチーム打率はその後も不振を極め、20年ぶりとなる11連敗を呼び込んだ。投手陣も野村祐輔中崎翔太が炎上を繰り返し二軍に降格。新守護神のフランスアも安定感を欠き、投打ともにチグハグさが浮き彫りとなった。

 6月14日に最大で『14』あった貯金は、7月5日には『0』に。二桁貯金の消滅は5度目ながら、14からの消滅は球団初の出来事だった。7月中旬にはセの貯金を独占する巨人に12ゲーム差をつけられ5位に低迷。なんとも忙しい話だが、0%→100%と動いたV率も再び0%を指し示していた。

 各チームの大型連勝、大型連敗は実にダイナミックにペナントレースの行方を左右した。カープにとって惜しむらくは、やはり交流戦での大失速だ。最終的にセ・リーグ5球団との対戦成績は勝ち越し、もしくは5割前後だっただけに、パ・リーグに喫した借金7が最後まで尾を引く形となった。