プロ野球・広島東洋カープ、サッカーJ1・サンフレッチェ広島をはじめ、多数のスポーツチームが存在する広島県。広島アスリートマガジンの連載《HIROSHIMA SPORTS NAVI》では、スポーツ王国と呼ばれる広島で活躍するスポーツチームから、選手自らがナビゲーターとなりチームや競技の魅力を紹介する。

 今回は『ヴィクトワール広島』から、阿曽圭佑が登場。主将としてチームを引っ張る阿曽選手が、自転車ロードレースの魅力を語ります!

レース中の阿曽選手 (中央、オレンジのウエア)。ヴィクトワール広島ではキャプテンとして、そしてエースとしてチームをけん引している。

2015年に広島で誕生した、中四国初のプロチーム

 みなさんは、自転車ロードレースという競技を見たことはありますか? 僕たち『ヴィクトワール広島』は、2015年に広島に誕生した、中四国初のプロ自転車ロードレースチームです。

 自転車ロードレースには様々な形態のレースがありますが、プロのレースは、「チーム単位で出場し、その中の誰かを優勝させること」を目的としたレースがメインになっています。1日だけのワンデイレースの他、複数日にわたって競い合うステージレースがあり、日本国内では現在、ツアーオブジャパン(以下、TOJ)が開催されています。TOJでは大阪の堺をスタートして三重や富士山を通り、東京にゴールするという行程を8つのステージに分け、8日間連続でレースを行います。各ステージで優勝者が決まるのですが、ステージごとのタイムも毎日積算されていき、8日間を通して最もタイムの早かった選手が総合優勝となります。ステージ優勝した選手が必ず総合優勝するとは限らないので、そういった順位の入れ替わりの複雑さは、自転車ロードレースの特徴であり、魅力でもあると思っています。

◆『一人を勝たせる』ために、チーム全体でアシスト

 チームには、それぞれの役割を持った選手たちが所属しています。例えば平地が得意なスプリンター、山道が得意なクライマー、どんなコースでも対応できるオールラウンダーなどですね。そうした特徴や得意な地形のある選手たちの中から、レースごとにエースを任される選手が一人選出されます。僕はタイプでいうとオールラウンダーで、チームではエースを任せてもらうことが多いです。レース中、エースを守るような動きをするのがアシストと呼ばれる選手たちで、前を走って風除けになったり、ドリンクや補給食を運ぶ役割を担っています。長いレースであれば、自転車の上で5〜6時間過ごすことになるので、そういったサポートをするのも、アシストの大切な役割の一つですね。

 アシストの選手たちは、全員で一人の選手を守りながら、エースがしっかりと勝負できる位置まで運んであげる。そしてエースは、優勝をつかむために勝負に出る。そうした戦略で優勝を目指すのが、プロの自転車ロードレースです。

《プロフィール》
阿曽 圭佑 (あそ・けいすけ)
1992年4月14日生、三重県出身
高校時代に競技自転車を始め、大学卒業後は和歌山・三重を本拠地とするサイクリングチームに所属。海外を経て2021年からヴィクトワール広島。同年、エースとしてチームにJCL初勝利をもたらした。

【 ヴィクトワール広島 】
2015年、中四国初のプロ自転車ロードレースチームとして誕生。同年からJプロツアーに参入し、2020年にUCI(国際自転車競技連合)のコンチネンタルチームに登録された。2021年からはジャパンサイクルリーグ (JCL) に参戦している。レース活動の他、地域でのサイクリングイベント、自転車安全教室など多数開催。

■□■ information ■□■
ヴィクトワール広島は、広島県のスポーツコミッション『スポーツアクティベーションひろしま』(通称:SAH)が展開する、広島横断型スポーツ応援プロジェクト・Team WISHに参加中! SAHでは広島県のスポーツを幅広く取り上げたWEBマガジンも公開。
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