新型コロナウイルスの猛威が止まらない−−と3カ月連続で書こうとしたが、そうでもないので安心している。コロナの収束にともなってプロスポーツの開催も秒読み段階となり、J1は7月4日から再開。まずは近隣同士の対戦からはじめるということで広島の再開初戦の相手は神戸というところまで決まっている。

また、その試合は無観客で行われるものの、翌週のカードからは早くも観客入り(5,000人かスタジアム収容人数の50%以下)も実現するようで、まあ“新しい生活様式”を適用しながらではあるが、こうしてJのある日常が戻って来るというのはうれしい限りである。だって4カ月強ぶりですよ!

さて、そんな長きにわたる“J粛”生活の中でもっとも変わった点といえばオンラインを巡る状況だろう。テレワークにリモート会議、配信ライブにリモート飲み会……濃厚接触がタブーとなりネット環境が向上したことで必然的にオンラインの有用性が浮上してきた。Jリーグの各チームも休止期間のアピールのため、さまざまな発信にトライしているが、そんな中で今回は心に残ったオンライン風景を3つほど紹介したい。

1つめは元・広島の李忠成選手(京都)がはじめたYouTubeチャンネル『李忠成/Lee Tadanari』の「サンフレッチェ広島黄金時代の選手集結」企画である。これは2012年の初優勝時のメンバーを中心にしたZOOM同窓会みたいな内容だが、とにかく集まったメンツがスゴイ。佐藤寿人選手(千葉)、髙萩洋次郎選手(FC東京)、千葉和彦選手(名古屋)、森脇良太選手(京都)、西川周作選手(浦和)、青山敏弘選手の全7人。

「みんなバラバラのチームなのにこんな企画できちゃうんだ!?」という驚きもあるし、「よくぞやってくれました!」という喜びもある。これはホントこれまでのサッカー界の常識をブチ壊す画期的企画ではないだろうか。

とにかくファンとしてうれしいのは、あのメンバーが別々のチームに移っても笑顔で集まれるほど仲良しであり(険悪な別れ方してたらこんな番組できないでしょ)、さらに身内でしかできない本音話を聞かせてくれたことである。「そうか、やっぱり攻撃は初優勝時が一番か」とか「クラブW杯、楽しかったんだなぁ」とか「青山選手が今後の広島を背負う選手として川辺駿選手を指名」とか、ネタ自体も面白いが、気の置けないメンツで話しているせいかウソの匂いがまったくしない。

これ、たぶんテレビや雑誌の企画だったらもっと堅苦しくなったはずで、元同僚の仕切りで、しかもZOOMで自宅から出演という気楽さが思いきり出ているのだ。相変わらずイジり倒される森脇選手と、ピッチではゴリゴリのFWなのにトークでは全体を見て的確にゲームメークする李選手のMCぶりなど見どころも満載。良いチームはボールが回る上に言葉のボールの回り方もファンタジーということも含め、広島サポなら必見の内容だと思います。6月上旬で再生回数11万回突破ですよ!