リーグ戦、カップ戦、天皇杯とも悔しい試合が続いたサンフレッチェ広島。なかなか浮上のきっかけをつかみ切れないなか、7月にはC大阪から加藤陸次樹が電撃加入するなど、リーグ再開に向けチームは着々と動き始めている。
ここではOB・吉田安孝氏が、6月のサンフレッチェを振り返る。苦しむチームに、今、必要なものとは。(記事中のデータはすべて7月6日の取材時点)
◆最後の瞬間まで体を張り続け、チームを鼓舞するキャプテンの姿
7月1日の新潟戦(●2-0)で印象的だったのは、キャプテン・佐々木翔の最後まで諦めないという思いが伝わってくる姿勢でした。
2ー0で敗戦濃厚となっていたとしても、最後の最後、試合終了の瞬間まで、体を張って守備をする。スライディングをして失点を防ぐ。その姿を見せてくれた佐々木には、こういう選手がキャプテンマークを巻いてフル出場してくれる心強さを感じました。見ているファン・サポーターのみなさんも、感じるものがあったのではないでしょうか。そんなキャプテンの思いが若い選手たちにも伝わってほしいと思いますし、そうした思いを持つ選手が中心となってプレーしているということは、チーム全体にも必ず良い影響を与えてくれると思っています。
ここ数試合、決定力不足に苦しんでいるサンフレッチェですが、すぐに決定力が上がる解決法はありません。とにかく繰り返し、試合のなかでチャンスをたくさんつくり出し、チャレンジしていくしかないと思います。
現在は、主にナッシム・ベンカリファやドウグラス・ヴィエイラら外国人FWがワントップで先発出場していますが、こういう苦しい時期だからこそ、若い日本人選手にはチャンスだと思って出てきてほしいです。ピッチを走り回り、相手チームにプレッシャーをかけてボールを奪い、相手が嫌がる裏に走り込んで……そんなダイナミックなプレーを見せてもらいたいと思います。