◆求められる早急な改善策

 大野氏の懸念は現実のものとなり、抑えに抜擢されたスコットは6月21日のDeNA戦に続き、昨日のヤクルト戦でもサヨナラ勝ちを献上した。しかも共に1死も取れない中での失点だけに、今後の配置転換も考えられるだろう。連敗の傷口を広げないためにも、早急な改善策が求められることとなった。

 救いなのは抑え以外の部分は、野手も含め概ね機能しているところだ。堂林翔太を筆頭に好調を維持している選手も多く、7月3日の試合では長野久義や安部友裕など控え選手が存在感を見せた。先発陣も大瀬良、森下らが期待通りの投球内容を見せている。

「3月7日から二つの引き分けを挟んで13連敗ということもありましたし、練習試合とはいえ不安に思う気持ちは当然ありました。いくら調整の意味合いが強いとはいえ、試合で負けが続くとチームの雰囲気も悪くなってきます。とくに今は無観客で試合が行われていることもあり雰囲気、元気というものはチーム内でつくっていくしかありません。これまではファンが声援で後押ししてくれましたが、現状ではそれがないわけですからね。その意味でも、練習試合のときと違って抑え以外の部分が機能しているのは好材料だと思います」

 いずれにせよ地元に戻っての阪神3連戦は、今後を占う上で非常に大きな一戦となる。初戦で敗れればヤクルト戦から数えて3連敗となるだけに、チームの雰囲気という意味ではかなり痛い。逆に勝利を収めればサヨナラ負けのダメージを払拭し、相手チームの状態を考えれば再び上昇気流に乗る可能性も高い。

 雨の状況が気になるところだが、エース・大瀬良が圧巻の投球内容でチームに勢いを取り戻す。