第9回WBSC女子野球ワールドカップ・グループBが9月13〜17日の5日間、日本、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、キューバ、プエルトリコ、フランスの各国代表が、広島県三次市に集って開催される。

 広島県廿日市市を本拠地とする『はつかいちサンブレイズ』からは、攻守でチームをけん引する捕手・村松珠希が日本代表に選出された。女子プロ野球の世界も経験してきた村松にとって、W杯は初の舞台。日本中の注目が集まるなか、7連覇を目指して世界に挑む『扇の要』に、女子野球への思い、そして、大会への意気込みを聞いた。

マツダスタジアムで行われた出陣式の様子(写真左端が村松)

代表チームを支える『扇の要』!打撃にも期待が集まる強肩捕手

ー第9回・WBSC女子野球W杯への代表選出、おめでとうございます。村松選手にとっては、今年5月に開催された第3回・BFA 女子野球アジア杯以来、2度目の日本代表選出となるのでしょうか?

「実は2021年に開催予定だったメキシコ大会でも、代表に選出されていたんです。ただその時は新型コロナウイルスの影響で大会自体が中止になってしまったので、実際に代表活動に参加したのは、5月のアジア杯からになります。メキシコ大会で代表メンバーに選ばれた当時は、率直に『うれしい』という気持ちだったのですが、一方で、実感が湧かないという感覚もありました。ただ、今年のアジア杯で日本代表に選ばれた時は、『緊張する』という気持ちの方が強かったです。緊張感とワクワク感とが入り混じったような、不思議な気持ちでした。本格的に代表活動に参加するのは初めてでしたし、周りもレベルの高いメンバーばかりなので、その輪のなかにどんな風に入っていけるかというところでも、楽しみな気持ちと緊張感とが半々でした」

ー女子日本代表はW杯6連覇中です。優勝、世界一へのプレッシャーは感じますか?

「私自身、女子日本代表は常に勝っている印象しかなかったので、『負けることが許されない』という思いもありました。ただ、代表メンバーのなかには、川端友紀さんや出口彩香さんといった、世界の舞台を何度も経験している選手たちがいます。みなさんがチームを引っ張っていってくれていますし、監督を含め、『思いっきりプレーして良いよ』という雰囲気をつくり出してくれているので、すごく安心感があります。もちろんプレッシャーもありますが、それは良い意味でのプレッシャーですね」

所属するはつかいちサンブレイズでは、打線の主軸を任されている。

ーW杯グループステージBは、広島県三次市で開催されます。現在の所属チーム・はつかいちサンブレイズの地元でもある広島がW杯の舞台に選ばれたことについては、どのように感じていますか?

「広島は、中四国エリアのなかでも女子野球自体がまだまだ発展していないエリアだと言われています。私たちの力でもっと女子野球を盛り上げていきたい思いはありますし、そんな広島で世界大会を開催できるというのは、女子野球の輪を広げるチャンスなのではないかと感じています」

ーはつかいちサンブレイズでプレーされて2年目のシーズンですが、ファンの方や地域の方の反応をどのように感じていますか?

「広島のみなさんは、本当に野球熱がすごいですよね。私は大阪府の出身ですが、はつかいちサンブレイズでプレーするようになって、日々、地元のみなさんの野球への熱い思いを感じています。先日、三次で開催された代表合宿でも、雨のなか練習試合に足を運んでくださる方がたくさんいらっしゃいました。相手チームが、読売ジャイアンツ女子チームや阪神タイガースWomenという、いますごく盛り上がっているチームだったということもあったと思いますが、そうやって女子野球自体に興味や関心を持ってくださる方が増えてきているというのは、すごくうれしいことだと思っています。三次でのW杯を楽しみにしてくださっている方もとても多いので、このチャンスに、もっと女子野球を広めていきたいと思います」

ー選手のみなさんも、広島での女子野球の盛り上がりを肌で感じているということですね。

「そうですね。7月6日にはマツダスタジアムで日本代表の出陣式があり、スタジアムで大会の告知をさせてもらったのですが、そこでも『絶対見に行くよ!』といった声をかけていただきました。そういう声をかけていただけるのは励みになりますし、よりいっそう『頑張らないと』という気持ちにもなりました」

ーW杯グループステージBのメイン会場となる、『三次きんさいスタジアム』の印象は?

「きんさいスタジアムは試合で何度かプレーしたことがありますが、球場全体がすごく大きく見える印象があります。私自身も、球場の大きさに負けないようなプレーができたら良いなと思っています」