9月8日、東京都大田スタジアムで行われた第48回社会人野球日本選手権大会関東代表決定戦にてエイジェックが茨城日産を7対0のコールドゲームで下し、悲願の社会人野球日本選手権大会出場への切符を手に入れた。

見事優勝を決め、チームメートから胴上げされる、主将の京橋幸多郎選手。

 エイジェック・河北将太と茨城日産・大西海翔の両先発で始まった試合は、走者を背負いながらも河北が随所で粘り強い投球を見せ、茨城日産に先制点を許さない展開で幕を開けた。試合が動いたのは3回。今大会好調のエイジェック打線が大西を捉え2死満塁の好機をつくると、3番中原輝也、4番内田靖人に連続適時打が飛び出し、4点を先制。スタンドに駆けつけたエイジェック女子野球部を含む観客席が大いに沸いた。4回にも得点を重ね、迎えた7回には主砲が適時打を放ち、走者が生還するとエイジェックサイドは歓喜の輪に包まれた。

 6回3安打無失点の河北は試合後「ようやくチームに貢献できて良かった。自分は今年、都市対抗野球で東京ドームにも行っていて(※)、チーム唯一、2大大会を経験することになる。日本選手権では思いきり良く投げ、チームに勝利を呼び込みたい」と意気込んだ。

 人材の総合プロデュース企業であるエイジェックを母体に持つ同野球部。創設は2018年と社会人野球チームの中でも歴史はまだ浅い。それでも2021年には創部3年目にして都市対抗野球大会に出場。当時は地元栃木県から駆けつけた大勢のファンが、東京ドームの半分をチームカラーの青に染め上げるほどの応援を繰り広げるなど、野球部に対して大きな期待が寄せられている。

 新進気鋭のエイジェック野球部は今年、社会人野球部として最多の49名の部員でシーズンイン。都市対抗野球大会北関東予選では第2代表決定戦に駒を進めるも、あと一歩及ばず2度目の本戦出場とはならなかった。今回、初の日本選手権出場を決めたが、京橋幸多郎主将は「2大大会に出場し、日本一になることが目標。まだまだスタートラインに立ったにすぎないので、今一度気を引き締めたい」と、すでに目標へ向かって照準を合わせている。

 社会人野球日本選手権大会は京セラドーム大阪で11月に開幕する。大きな目標に向けて挑むエイジェック野球部の活躍に注目したい。

(※)河北将太は、2023年都市対抗野球でSUBARUの補強選手として参加。