現在野球に取り組む各カテゴリーの選手たちはこの時期、これから迎える球春に向けてさまざまな練習を積んでいる。より良いパフォーマンスを発揮するため、このオフシーズンでのトレーニングは全カテゴリーの野球人にとって、大事な時期と言えるだろう。

 今回は日本ポニーベースボール協会九州連盟に所属する佐賀ビクトリーが行う、1日のトレーニングメニューを紹介する。

 

 佐賀ビクトリーは、2023年8月に行われた『1st エイジェックカップ 中学硬式野球グランドチャンピオンシリーズ』で優勝を果たした。同チームの卒業生には県内外を問わず、名門高校に数多くの選手が進んでいる九州屈指の強豪チームである。

 そんな佐賀ビクトリーの2023年12月1日の練習メニューは以下の通りだ。

 通常アップでは棒を持ち、肩甲骨・肩関節等の可動域を意識した運動や、ミニハードル・ラダーを使用したアジリティメニュー、ダッシュを行う。その後のキャッチボールでは、遠投・塁間クイックスローだけでなくランダウンプレーも取り入れている。

 

 トスバッティングでは3人1組となり、バント練習や、左右への打ち分けなど、試合を意識した基礎練習が行われている。

 また、パワートレーニングで行われるバトルロープとボックスジャンプは、それぞれ重・軽二種使用、高・低二種使用となっている。その理由は、重い重量のみ、または軽い重量のみのトレーニングが続いてしまうことで、体がその重量に慣れてしまい、肉体的ストレスへの適応反応が起こらなくなってしまうからだ。以上の理由から、高重量、軽重量の両方を取り入れたパワートレーニングとなっている。

 

 そして、守備メニューはゴロ捕球から入る。ゴロ捕りは手投げで行われ、基本を重視したメニュー。基本守備練習後は、3カ所ノックや外野アメリカンノックを行い、守備メニューは終了。打撃練習はロングティーとティーのみとなっており、“冬季は基礎技術の向上期間”という練習意図が伺える。

 

 投手については、60メートル走を切り返し付きで30本、30メートル連続立ち幅跳びを10本、アジリティやバービーのトレーニングの後、シャドウピッチング3種やメディシンボール投げ3種を行うなど、野手同様に冬季ならではの基礎練習を中心としたメニューをこなしている。

 昨年、エイジェックカップにおいて中学硬式野球トップの座に立った佐賀ビクトリー。新チームが冬のトレーニングを乗り越え、今年の各大会でさらに進化した姿を見せてくれることだろう。

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