2016年10月29日の日本ハム戦を生観戦した内藤選手。レフトスタンドから戦況を見守ったが、このラッキーセブンの直後に悪夢が待っていた。カープは地元で逆王手を目指すも、32年ぶりの日本一はならず。

◆印象に残っている“負け”試合

 前回までは“思い入れ”ベストナインを紹介しましたが、どうやら評判も良かったようで、オレの耳にも「おもしろかったです!」という声はチラホラと入ってきました。それに味を占めたわけではないですが(笑)、今回は“思い入れ”ベストゲームを紹介できればと思います。もちろん、前回までと同様にプロレスに例えていく手法も織り交ぜながら、進めさせてもらいます(笑)。

 これはベストナインのときにも言いましたけど、何を持って『ベスト』なのかは難しいですよね。人それぞれ感じ方は違うでしょうし、そうなるとやっぱり思い出に残っている、印象深い試合ということになるのかなと。

 正直、勝ちゲームだけではなく、負けゲームであっても記憶に残るものってあると思うんです。例えばオレがマツダスタジアムに観戦に行った中では、2016年の日本シリーズ第6戦。4対4で迎えた8回表に日本ハムに2点を勝ち越されて、さらにレアード選手(現・千葉ロッテ)に満塁ホームランを打たれて、トドメを刺された試合は印象に残っています。第7戦までいくことがほぼ不可能になって、これで本当にシーズンが終わってしまうんだなっていう寂しさ、悔しさがありました。

 負け試合でも印象に残るっていうのはプロレスでもあることで、極端なことを言えば、勝った選手よりも負けた選手の方にスポットライトが当たることも、けっこうあります。もちろん絶対に負けた選手が光るかといったらそういうわけではないし、負けた選手がどうやって立ち上がるか、這い上がるかも大事ではあるんですけど、負けても輝くことができる、印象に残ることができるのがプロレスの良いところの一つだと思います。