内藤選手がファン時代に観戦した、東京ドーム大会のチケットの半券。ちなみにメインは現在、内藤選手が保持するIWGPヘビー級王座のタイトルマッチ(佐々木健介VS天龍源一郎)だった。

◆七夕の奇跡を新日本プロレスで例えると…

『七夕の奇跡』をオレなりにプロレスに例えるなら、2000年1月4日の新日本プロレス・東京ドーム大会での、橋本真也&飯塚高史vs小川直也&村上和成のタッグマッチですかね。当時、小川選手はUFOというアントニオ猪木さんの団体にいて、新日本の看板選手だった橋本選手と抗争を展開していました。橋本選手がシングルで小川選手に負け続けていて、当時オレも新日本ファンの一人として本当に悔しかった。

 もちろんこのタッグマッチでも新日本側を応援していましたけど、正直、試合前は新日本ファンでありながら、「飯塚さんが負けちゃうのかな…」と思って会場で見ていたんです。本当に飯塚さんには失礼な話ではあるんですけど(苦笑)、どうしても冷静に勝敗予想したときに、飯塚さんが負ける可能性が高いかなって。

 試合が始まると、セコンド陣も乱入して収拾がつかなくなって、2分ちょっとで無効試合になったんですよ。でも、そこでアントニオ猪木さんが出て来て「試合続行!」って言って、またゴングが鳴って再試合が始まったんです(苦笑)。そうしたら飯塚さんがメチャクチャ頑張って、最後も村上選手にスリーパーホールドを極めて勝ったんです!

 オレは外野席で試合を見ていて、リングまではめちゃくちゃ遠かったけど、飯塚さんが勝った瞬間にいっしょに見ていた友だちと立ち上がって喜んで、大声で「イイヅカー!」と叫んでいましたよ。新日本ファンであるはずなのに、「負けちゃうかな…」って思っていた中での勝利だったので、スゴく印象に残っていますね。

『七夕の奇跡』にしても、カープファンとして最後まで選手たちのことを信じないといけないはずなのに、「今日は負けかな」ってあきらめてしまっていた。でも、自分があきらめてしまっていた中での逆転勝ちって、あきらめていない中での逆転勝ちよりも、印象に残りますよね。『逆転のカープ』という言葉もありますけど、やっぱり逆転勝ちって見ていて気持ちいいですよ。