エディオンピースウイング広島での初戦を勝利で飾り、販売中のチケットが全席完売するなど、依然注目度の高いサンフレッチェ広島。

 ここでは、ホーム連勝を目指す鳥栖戦を3月9日に控えたサンフレッチェから、野津田岳人の過去インタビューを再編集してお届けする。2023年、エディオンスタジアムでのラストイヤーを前に野津田が語った〝エディスタ愛〟とは。(「広島アスリートマガジン」2023年3月号掲載記事を再編集)

エディオンピースウイング広島での全体練習に参加する野津田岳人。

◆サンフレッチェの一員として、エディスタで試合ができたのは幸せなこと。

ー2022年シーズンは、リーグ戦、カップ戦合わせて4ゴールをあげました。すべてエディオンスタジアム広島(以下、エディスタ)でのゴールでしたが、ホームへの思いは特別なものがあるのでしょうか。

「僕自身、それまではアウェイで得点することが多いというイメージがあったのですが、2022年のゴールは全部エディスタで決めることができて、自分にとってもすごくうれしかったです。ホームで試合をする時は、今まで以上に楽しい気持ちというか……すごく幸せな気持ちでプレーできていたんです。改めて、広島の一員としてエディスタで試合ができるのは幸せだなと感じながらプレーできたシーズンでした。エディスタは小さい頃から見てきた場所でしたし、プロになってからは、ここでプレーしたいという気持ちを持ちながらも、いろいろなチームを転々としていた時期がありました。『もう一度エディスタで活躍したい』という思いがあったなかで広島に復帰して、試合にも出ることができていたので、すごくいろいろな思いを噛み締めながら戦っていたというか……慣れることはありませんでしたね」

ー「慣れることはなかった」とは、どういう意味でしょうか。

「エディスタでプレーすることに慣れることはなかったというか……。毎回、試合が始まる寸前に、ふと『ああ、ここでまたサッカーができるんだ』と思う瞬間があって、やっぱり自分は広島が好きなんだな、と感じていました。そういう意味では、エディスタのラストイヤーは、個人的には『すごく寂しい』という気持ちもありました」

ー小さい頃からエディオンスタジアムによく行かれていたとのことでしたが、観戦する時はどのあたりでご覧になっていましたか?

「小学生の頃は自由席が多かったですね。サンフレサポーターに混じって飛び跳ねながら応援したこともありましたし、相手のサポーターに混じって観ていたこともありました。試合もすごく楽しかったのですが、スタジアムそのものが楽しいという印象があって、スタジアムの中のいろいろな場所に行くのも楽しみだったんです。相手サポーターの雰囲気も感じてみたくて、いろいろなところを走り回っていたなあ、という記憶がありますね」

(続く)