カープの守護神としてプロ1年目から最終回のマウンドに立ち続けてきた栗林。昨季は故障による離脱や二軍降格と、これまでにない悔しいシーズンを過ごした。

 復活を期する今シーズン、栗林は開幕から9回のマウンドに立ち続けている。絶対的守護神としての活躍が期待される背番号20の思いに迫った独占インタビューをお送りする。(全3回/1回目)

今季開幕から勝ちパターンでの9回を任されている栗林良吏

◆昨季の二軍落ちで感じた 一軍に居れることの幸せ

─栗林投手はプロ4度目の開幕になりますが、心境は毎年違いますか?

「そうですね。毎年前年の成績が違うので、そういう意味では違った緊張感を持ちながら迎えています」

─毎年成績が違うという面では、昨シーズンの数字というのは、どのように捉えていますか?

「昨シーズンは春先にWBCがあり、故障での離脱から始まって、3月・4月とシーズン開幕から結果を残すことができませんでした。プロ2年目も開幕当初は結果が出なかったのですが、最後は戦うことができていました。なので、『なんとか今年も行けるかな』と思ったのですが……そのままズルズル行ってしまった感じでした。心の余裕が逆にマイナスになってしまって、なかなか調子が上がらなかったと思っています」

─2年目と違う苦しい経験をされた中で、昨シーズン学んだことがあれば教えてください。

「クローザーとして9回を投げさせてもらう中で、結果的にケガで離脱した形になってしまい、二軍に落ちたときに、一軍にいれることの幸せと、ありがたさをすごく感じることができました。そして、一軍でプレーできるのが当たり前ではないということも改めて実感できたのが学びだったと思います」

─オフのトレーニングで考え方に変化などはあったのでしょうか?

「昨シーズンを踏まえて、体づくりが1番自分の中で大事だと思いました。なので、バランス感覚を鍛えたり、今年からはトレーナーさんと一緒にやって体のケアもしながらトレーニングすることをやり始めました」

─トレーナーを導入してトレーニングを行った効果はいかがですか。

「体が疲れていてもすぐに疲れをとってもらえますし、多少気になるところもすぐ治してもらえるので、毎日の練習がしっかりできるという面で、これまでとは違うと感じています。あとはバランストレーニングですね。今まではマウンド上で傾斜に対して、なかなかフォームが安定しなかったというか、探り探り合わせていたのですが、今年はそういうことが全くなく、平地と同じような感覚でマウンドに上がることができているので、良かったなと思ってます」

─春のキャンプではどのようなテーマを持って臨まれたのでしょうか?

「1番は、昨シーズン全く使えなかったフォークを改善したいと思って臨みました。やはり、フォークを勝負球として使えれば、もっと楽なピッチングができると思っています」

─元々得意な変化球だったと思いますが、改めて磨きをかけたのですね。

「そうですね。昨年は全くフォークが使えなかったので、磨くというより、もう一度自分のものにできるようにしたいという感覚ですね」