6戦勝利なしと苦しい時期を超え、5月19日の京都戦では5発快勝。ルヴァン杯プレーオフラウンド進出も決め、勢いを取り戻しつつあるサンフレッチェ広島。ここではサンフレッチェ広島OBの吉田安孝氏が、今注目の選手をピックアップして紹介する。今回取り上げるのは、主に両ウイングを担う2選手。ここ数試合で存在感を高めている二人の魅力に迫った(取材は2024年5月)

5月6日の名古屋戦で、プロ初ゴールをあげた越道。

今季のサンフレッチェを支える、まさに『希望の両翼』

 今回取り上げる注目選手は、越道草太と中野就斗の2人です。この2人はタイプの異なる選手ながら、左右のウイングバック(WB)として活躍の目覚ましい選手です。それぞれ2023年、2022年加入でありながら、今シーズンの広島を支えてくれています。

 まずは5月6日の名古屋戦(●2ー3)で、プロ初ゴールを決めた越道についてお話しします。ルヴァン杯で結果を残し、リーグ戦でもスタメンに抜擢されるようになりましたが、一試合一試合、ワンプレーごとに成長しているように感じます。一つ自信を得ることでぐんと伸びていくその姿は、見ていても気持ちの良いものです。切り返し方、ボールの持ち方など、サイドプレーヤーとしての自分の型ができてきたように感じます。開幕当初から比べても、格段にレベルアップしている1人だと言えるでしょう。越道の武器であるスピードを活かして、ここからもぜひ活躍していってもらいたいと思います。

 越道がプロ初ゴールを挙げた名古屋戦は、その前節の新潟戦(5月3日、△1ー1)からの嫌な流れを断ち切らなければならない一戦でした。そのなかで、2点を先制されながらも追いついたという点は、シーズン中盤に向けて期待が持てる部分だったと言えるでしょう。特にサイドプレーヤーはスタンドにも近く、ファン・サポーターの声援を間近に感じることができるはずです。サポーターの目の前で持ち味のスピードを活かしたプレーを見せることができれば、スタジアムも一層盛り上がるでしょう。『越道がボールを持ったら何かやってくれる』という期待感溢れるプレーで魅せてほしいと思います。