― しかし、好調は長く続きませんでした。
「最初はデータも何もなく真っ直ぐが多かったので、積極的に振っていったことで打てたのかなと思います。でもそれから内角球を意識し過ぎて外角球に手が出なかったり、逆に外角球を狙ったら外に逃げる変化球が来たりという悪循環に陥ってしまいました。自分の中で勘違いをしていたのかもしれないのですが、内角攻めを無視できていれば良かったのかもしれません」

― これだけ長いスランプは野球人生でも初めてのことだと思います。
「10何打席無安打というのもありましたし、これだけ打てないのは初めてでした。振っても当たらないし見逃したらストライクだし、当たったと思ったらファウルになるし。どうしていいのか全く分からず、どうしようもできなかった時期もありました」

― ただ、そういった辛い時期にも決して感情を出さずに冷静にプレーしていた印象を受けます。
「本当だったら思いっきり爆発させたいですよ。例えば悔しくてバットを折りたいという気持ちも正直あります。けど、ずっと使ってもらっているというのもありますし、1年目ですから。東洋さん(朝山二軍打撃コーチ)からは『1年目なんかは打てなくて当たり前だ』と言ってもらっていましたが、そう言われても悔しかったですね」