◆三振を重ねても失わなかった積極性

― 首脳陣の期待もあり常時スタメンで起用されていることがプレッシャーになることもあったかと思います。
「結果を残せずに成績がだんだん落ちてきましたし、そのときは本当にすごく申し訳なく思いました。1年目とはいえ、出るんだったら結果を残したい気持ちがあったので悔しさもありました」

― そういった焦りが消極性を生みスイングを小さくするようなマイナスに働くこともありますが、堂林選手は三振を重ねても積極性を失わずにしっかりと自分のスイングを貫き通していました。その結果、調子も上向きチームトップの本塁打を記録しています。
「『昨日打てなければ今日打てればいい。今日打てなければ明日打てばいい』と、いつも監督さんが毎試合リセットするようにと言っているので、前の日のことはもう済んだことだと気持ちを切り替えて試合に臨むようにしています。それに打席の中では、消極的にならないように意識しています。振ってみなければ分からないし、バットが出てこなかったら終わり。高校からずっとそうやって教えられてきたので、それだけはやるようにしていました。高校のときは見逃しが許されなかったので、それが今の打撃スタイルに繋がっていると思います」

― 堂林選手の右中間への伸びる打球は惚れ惚れするものがあります。
「高校のときは自然と逆方向に飛んでいっていたのですが、最近は分からなくなりましたね(苦笑)。前は手で操作して最後は下で踏ん張っていたんですけど、それは間違っていたんですね。プロに入ってからは最初から下でリードして踏ん張ることが大事だと感じていますし、最近は自分の思った通りの構えでバットを出せていると思います」

― 春季キャンプ早々に左肩痛で離脱しましたが、今振り返るとその時期に体作りに重点を置いて取り組めたことがプラスになっているように感じます。
「三軍の方でしっかり走り込めたことで太ももが6センチも太くなりました。あのときにケガせずにやっていたら今より下の結果になっていたかもしれないので、基礎体力というのをつけられたことはプラスに思いたいですね」

― また、入団時から野球ノートを書き続けていると聞きました。
「書いていないときもあったのですが、書かなければすぐに忘れちゃうのでやらないかんなと思ってまた書き始めました。打撃だけでなく走塁や守備もそうですし、誰の口から言われたことでも感じたことは忘れないように書き留めています」