◆少しでもいいから上のレベルを肌で感じたい

― オールスター期間中には一軍の練習にも参加しました。
「一軍と二軍の差というか、一人ひとり考えていることや雰囲気もそうですけど重さが違うなと感じました。そういった目に見えないオーラが凄かった。代走や守備だけでも何とか一軍に残ろうという気迫に『それだけやらないと上ではやれないんだよ』、そう言われているように感じました」

― プレーや発言からは、芯の強さを感じます。
「野球を始めたころは大事なところで打てず、大舞台にも弱かったんです。小学校から中学、高校の最初の頃までずっとチャンスに弱いと言われ続けてきたことで、強くなったんじゃないかなと思います。今ではどんな舞台でも全く緊張もしませんし、オドオドしているのも嫌なんです」

― フレッシュ・オールスターでの豪快な一発からも、『何か持っているな』と感じます。
「持っていますよぉ、甲子園の決勝戦でも打ちましたからね、僕（笑）。甲子園の決勝も、あれだけ人が多く入っても何も思いませんでした。高校からそういった経験をさせてもらっているというのもありますが、人が多いと楽しいですし、甲子園もガラガラだったら面白くないじゃないですか」

― 次なる舞台は一軍です。チーム状況もありますが、一軍昇格を今どう捉えていますか？
「一軍の練習の最終日に野村監督から『二軍の結果で２割では一軍では通用しないから、しっかり結果を残してくれ』と言われたので、改めて結果が全ての世界なんだなっていうのを感じました。自分でも今のままでは通用しないと思っていますし、今は二軍で安定した結果を残せるようにやっていかなくちゃいけないと思っています」

― ここまで打数が増えると、打率を上げるのは難しい状況です。ただ後半戦で一軍首脳陣を納得させる数字を残せれば、一軍昇格も見えてくると思います。
「残り少ないですけど、何とか少しでもいいから上のレベルを自分の肌で感じたい。なんでもやってみないと分からないので、早くそういう場に立ちたい。ちょっとでも率を上げて最終的に３割近い数字を残せれば『上で試してみよう』というチャンスが生まれてくるかもしれないので、今は１日１日の積み重ねでやっていくしかないです」