2023年、広島ユースからトップ昇格を果たしプロの道を歩み始めた越道草太。2年目を迎えた今シーズンはスタメン起用される試合も増え、5月にはプロ初ゴールもマークした。

 ますます期待の集まる期待の新星に、ここまでの手応えと課題を聞いた。

広島県出身の20歳。世代別日本代表経験も持つ越道草太

ゴールの喜びは忘れられない。課題は決め切るクオリティー

ープロ2年目のシーズンも中盤に入っています。ここまでの印象は?

「開幕前の練習ではうまくいっている手応えがあったので、開幕戦でメンバー外だったのはすごく悔しかったです。でも少しずつ出場機会が増えてきて、まだまだ課題はたくさんありますが、プロ初ゴールを決めることができたのは自信になりました」

ーJ1リーグ第12節の名古屋戦(5月6日・●2−3)でプロ初ゴール。0−2とリードされていた23分、右足で約20メートルのミドルシュートを決めました。

「足を振ってシュートを打って (プレーを)終わろうと意識して、力を抜いてミートすることだけを考えました。落ち着いていたのは一つ、ステップアップできたところです。1年目なら焦ってシュートを打って外していたと思うので」

ー決めた後の心境を覚えていますか。

「興奮して、あまり覚えていません。でもまだ1−2だったので、俺のゴールでチームが息を吹き返せればと思いました」

ー実際にチームは息を吹き返して攻撃の勢いが増し、後半に2−2としましたが、終盤に失点して今季初黒星となりました。

「ゴールを決めてもチームが勝たないと喜びが半減すると、あらためて感じました。悔しい気持ちの方が大きかったです」

ープロ初ゴールを決めて、ストライカーの気持ちが分かったのではないですか。

「試合に負けたのは悔しいですが、ゴールを決めた喜び、うれしさは忘れられません。特にホームで何回も決めて、この気持ちを味わっている大橋 (祐紀)選手やピエロス (・ソティリウ)選手のようなストライカーが、本当にうらやましいです」

ー一方、まだまだ課題があるとのことですが、どんなところですか。

「守備の判断や強度が、まだまだ足りないです。攻撃でも、最後に得点やアシストを決め切るクオリティーを、もっと磨かなければいけないと感じています」

ー今季、開幕後に新井直人選手が移籍加入してきました。同じサイドの選手として危機感もあったのではないですか。

「ポジションが重なっているので、絶対に負けられないと思いました。自分には新井選手とは違う良いところがあるので、それをしっかり出すことを考えています」

ー昨季は右サイドでのプレーが多かったですが、今季は左サイドでも起用されています。立ち位置が変わったことによる意識やプレーの変化はありますか。

「ユース時代はずっと左サイドでプレーしていて、柏好文選手の動きをよく見ていたので、意識しているのはカットインから右足で上げるクロスです。さらにひと工夫して、カットインから切り返して左足で上げることもあります。左サイドでプレーした名古屋戦で、右足でプロ初ゴールを決めることができたので、攻撃のプレーの種類が増えている実感がありますね」