◆NPBを目指せる選手が多数出場
―激戦を勝ち抜き代表権を勝ち取りましたが、今のチーム状況はいかがでしょうか。
「仕上がりについては正直そこまで重視はしていません。この期間はいかに成長できるかという期間だと思っています。都市対抗に向けてオープン戦に臨んでいますが、完成されたそれぞれのチームに補強選手が加わることで、より強くなっていく。そういうチームと試合ができる権利は代表になれたからこそなので、この対戦の経験を活かしてパワーアップをしています」
―補強選手というお話が出ましたが、今回選出した3選手についてお聞かせください。
「まず、野中(祐也)選手(日立製作所)は10年表彰を控えている選手で、我々が一番持っていない“経験”を持っている選手です。存在感を発揮してもらい、エイジェックの選手はそれを肌で感じてくれたらと思います。樫村(昌樹)選手は代表経験もある選手で、シュアなバッティングの中にパワーもあります。打線を引っ張ってくれる存在です。今は、内田が主砲として負けていられないと気合いが入っており、調子が上向いているので良い傾向だと思います。最後に中島(悠貴)選手は本当に良い球を投げる投手でオープン戦でも、好投を続けていたので期待ができます。良い投手陣が揃っている中にもう1枚厚みが出たので投手運用の幅は広がっていると思います」
―特色溢れる選手たちの中であえて1人キーマンをあげるとしたら誰でしょうか?
「1人あげるのであれば河北ですね。今年のシーズンインから河北には投手陣の中心としてやってきてもらいましたし、彼自身今年に賭ける思いが強いのはわかっています。その思いを上手くマウンドで表現してもらえれば、自ずと結果はついてくると思いますし、その先のNPB入りも見えてくるのではと思います」
―難波監督から見て社会人の2大大会となる『都市対抗』と『日本選手権』はやはり別物でしょうか。
「全国大会という点では一緒ですが、やはり都市対抗ならではのプレッシャーはあります。会社だけでなく都市を背負っての試合なので。ただ、社会人野球界の憧れの舞台であり、そこでプレーをすることでしか得られない経験値は何事にも代えられない財産なので、そういう意味でも別物だと思います」
―初戦の相手は日本製鉄瀬戸内に決まりました。歴史あるチームとの対戦となりました。
「これまでの出場回数などを見てもうちとは比べ物にならない厚みがあります。それに対してうちは若さと勢いを武器にどう戦うかというところがポイントですね。3回目の全国大会ですから、この試合をエイジェック野球部の新たな1ページにして、より内容の濃いものにしたいです」
―勝ち上がり次第で当たる隣のカードには古巣の日本通運も構えています。
「こればかりは時の運ですからなんとも言えませんが、面白い縁ですね。どこが勝ってきても、うちより強いチームばかりですが、もし当たったら勝ちたいですしそれが一種の恩返しにもなるかと思っています」
―都市対抗野球大会では、初めて社会人野球やエイジェックの試合を見る方もいるかと思います。どのようなところに注目して見てほしいですか?
「社会人野球という点では、大人が全力で野球に取り組む姿というのは見どころの1つだと思います。あとは各チームの応援は本当に凄まじい威力を持っていて、音量で野手の声が聞こえない程です。これはプロ野球にはない魅力と言っても良いです。エイジェックの試合で言うならば、大企業の選手たちは甲子園のスターや大学でトップクラスの成績を残している選手たちなので、そのエリート集団に立ち向かう雑草軍団の姿勢は見てほしいです。また、今年はNPBを目指せる選手が補強選手も合わせると複数いますので、ぜひ見てもらって覚えてもらえたらと思います」
―最後に今大会への意気込みをお願いします。
「チームとしては、まだ全国大会で1勝ができていないので、チームの歴史の1ページ目を刻みたいです。そこから勝ち上がっていくことで、地元・栃木県で応援をしてくださるみなさんに恩返しができるような大会にしてきますので、応援をよろしくお願いします」