社会人野球2大大会の1つ、『第95回都市対抗野球大会』が7月19日にスタートする。ここでは、3年ぶり2度目の出場となる北関東第1代表のエイジェック男子硬式野球部の独占インタビューをお届けする。第1回目は、チームを率いる指揮官、難波貴司監督に話を聞いた。

エイジェック男子硬式野球部 難波貴司監督

◆「3年前を思い出せ」指揮官が選手へ伝えた言葉

―都市対抗野球大会第1代表での出場おめでとうございます。まずは予選を振り返っていかがですか。

「結果的に第1代表が取れたわけではありますが、大会前のプランとしてはどのように試合をして選手が経験値を積むか。そして、それを持ってして強豪チームにどう立ち向かうかというテーマがありました。最短の試合数の中で、最高の結果が出せたと思います」

―それぞれの試合を振り返ると、初戦から投手陣の粘りが目立ちました。

「今年の投手陣は本当に出来が良いです。先発では、金城乃亜と河北将太が投げ抜いてくれて、準決勝・決勝の完投は圧巻でした。また、初戦においては茨城日産戦での安藤幸太郎と川端秀悟の好リリーフが試合を分けたと思います」

―日立製作所戦に先発した河北投手は、昨年京セラドームで行われた、日本選手権大会に出られなかった悔しさを晴らすような投球を見せてくれました。

「あの試合の河北は本当に今年に賭ける思いの強さが、球に乗り移ったような投球を見せてくれました。ただ、終盤、打線に捕まったところで交代しようとマウンドに行ったら、『自分にこのまま行かせてほしい』と志願したんです。本当は安藤の準備も終わって出てくるところだったんですけど、慌てて戻しました(笑)。結果を見たら河北の気合いの入った投球が最終回の逆転サヨナラ勝ちを持ってきてくれたと思います」

―代表決定戦のSUBARU戦では、対戦相手ホームでの試合でしたが、見事勝ち切りました。

「ぐるりと球場を見渡してSUBARUさんのファンの方がほとんどを占める中での試合でした。ただ、試合前に『3年前を思い出せ』と声をかけたんです。3年前に初出場をした時も阿部博光投手(SUBARU)と金城が投げ合って太田球場で勝っているんです。その前の年に金城はSUBARU打線にめった打ちにあっていたんですけど、それでも良い結果を出してくれた。『今年も球場も相手先発も同じなんだ』と話したので、スイッチが入ったのかもしれません」

―初回の失点の後の切り替え、打線のつながりも併せて見事な試合展開でした。

「変化球を軸に金城はよく投げてくれました。あとは打線ですね。この予選は1、2番のルーキーコンビ(1番・片平吉信、2番・髙岡佳将)が良い働きをしてくれました。ルーキーなので怖いもの知らずなところがチームに良い勢いをもたらしてくれました。あとは岡島にタイムリーが出たのも大きかったですね。これまで投手陣を支えてきた捕手が次の1点が大事な場面で打ったことで、チームに勇気を与えてくれました」