◆1番打者として変わったこと

 前半戦を終えて、西川は打線になくてはならない存在となっていた。序盤から不動の1番打者であった田中広輔が不振に陥り、その後は野間峻祥を中心に固定できない日々が続いた。だが球宴明け、後半戦スタートからシーズン終了まで、トップバッターに固定された。シーズン後のインタビューでは、1番を打つことについて、こう語っている。

─ シーズン途中までは3番、5番を打つ機会が多かったですが、後半戦は1番に定着されました。考え方に変化などはありましたか?
「1番を打たせてもらうようになってからは、何でもかんでも打ちにいかなくなりました。初回の打席だけですけど、1番なのである程度狙い球を絞って、できるだけ全部の球種を見れたら見て、まずは塁に出ることを意識していました。初回以降は打順は関係ないと思っているので、これまで通りに打てる球を積極的に打ちにいっていましたね」

─ 1番を打つことで、2番を打つ菊池涼介選手との連携を意識することはありましたか? 「投手によって、初球から行きますとか、そういう会話をするくらいでしたね」

─ 16本塁打を記録されるなど、長打力も見せつけたシーズンとなりました。長打は意識する部分だったのですか?
「それはシーズン途中くらいから意識していましたね。やっぱり長打が出ればチャンスも広がりますし、得点につながりやすいんで。なおかつ1番になってからは、長打が出れば、中軸にチャンスが回っていきやすくなりますからね。意識して長打を狙っていく打席もありました」

─ 1番になってからは先頭打者ホームランも多かったと思いますが、その点はいかがですか?
「あれは気持ち良いもんですね。ちなみに7月最後の試合だけは狙っていました。月間での球団先頭打者本塁打記録があって、月の最後の試合だったので『狙ってみよう』と思って臨んだら、たまたま打てました。それ以外は特に狙ってはいませんけどね(笑)」

─ 1番打者は走塁面も大事になるポジションかと思います。そのあたりの意識はいかがでしたか?
 「あまり盗塁がうまくないんですよね(苦笑)。割とスタートは切ったと思いますけど、なかなか結果につながらなかったりしましたし。いつもスタートと中間走の難しさを感じていました」

 昨季は1番、3番、5番といずれも打線の鍵を握る打順でそれぞれ適応を見せた西川。今季は3番が主戦場となるのか、それともトップバッターとなるのか。いずれにしても今シーズンも西川が打線の鍵を握っているといっても過言ではないだろう。