そしてもう一人、苦しむ姿を見守ってきたのが、堂林が2016年オフに弟子入りし、護摩行を共にするなど師と仰ぐ新井貴浩氏だ。新井氏は今年2月に取材で訪れたオープン戦後、堂林の悩みに対し、『バットの角度をギリギリまでキープして最後に回転すること。そこをもう少し意識してみろ』とアドバイスを送った。今季の打撃について、新井氏はこう評価する。

「今年の堂林を見ていると“何か”をつかみ始めています。その何かは“帰る場所”です。開幕から良い数字が残していますが、まず見送り方が良く、凡打の内容が以前と違います。これが好調の要因でしょうね」

 2月キャンプ時点でスイング時の体の開きに悩んでいた堂林は、「少しでも悪くなったらそこに戻って極端に意識して練習しています。今は悪くなったら戻れるところがあるので、自分の中では大きいと思います」と語っており、新井氏の助言が大きな後押しとなっていることが分かる。

「今楽しいでしょうね。彼は僕のアドバイスも良かったと言ってくれているようですが、あくまで頑張っているのは本人ですから。それが報われているんでしょう」