開幕から1カ月以上が経過しても、カープ堂林翔太はセ・リーグ打撃トップテンの上位に名を連ね続けている。そんな堂林も2012年一軍デビュー以降は年々一軍での出場機会を減らし、昨シーズンまでは二軍でのプレーが主戦場となっていた。

 一軍で結果を残せず苦しむシーズンが続いたここ数年、堂林はさまざまな人物からアドバイスを受けてきた。そんな堂林を近くで見守り続けてきた“2人の人物”が感じた、堂林の打撃の変化とはどのようなものだったのだろうか。

次第にカープ打線に欠かせない存在となった堂林翔太選手。

 今季から一軍打撃コーチに就任した朝山東洋コーチは、昨季まで長年二軍コーチを歴任。若手に交じり、黙々と練習を続けていた近年の堂林を朝山コーチはこう見てきた。  

「ここ数年、二軍で毎年結果を残していましたが、一軍で結果を出せないシーズンが続きました。一軍の投手のキレとスピードという部分に対して、良い日があってもすぐに悪い日になったりと、再現性に欠けるところがあると感じていました」

 2015年以降、堂林の一軍出場機会は激減した。だが二軍では毎年のように3割前後の打率を残して意地を見せていた。

「正直なところ、何度か自分でも腐りそうになるときはありましたけど……そこをずっと堪えて、諦めるということはなかったので、『何か良いことがある』と思いながらずっと練習を続けていました」