高卒1年目のルーキーイヤーはケガに泣かされたカープの高卒2年目・仲田侑仁。しかしシーズン最終戦は一軍昇格のチャンスをつかみ、球団史上初となる高卒新人の4番スタメンに大抜擢され、見事に初安打もマークした。将来の4番候補として大きな可能性を感じさせる仲田の2025年にかける思いを聞いた。(全2回/第2回)

初めての秋季キャンプ、オフを終え、春季キャンプに臨む仲田

新たな価値観を見出せた、新井監督の言葉

─秋季キャンプでは、振り込みの量も話題になりました。どのようなテーマで臨まれましたか?

 「秋のキャンプは、今までの練習のうちでも上位に入るぐらい振り込みましたし、きつかったですね(苦笑)。新井監督もそうですし、自分が今まであまり関わってこなかった一軍コーチの意見も初めて聞くことができて、そこから得るものもありました。それこそ、選球眼、目線の話であったり、そういう部分も本当に勉強になりました」

─監督からの直接指導があったようですが、印象に残る言葉はありますか?

 「言葉ではないのですが、今まで自分がやってきたことがないようなスイングや野球の考え方を新井監督がしていたので、そこも自分のプラスにできるようにやろうと思っています」

─厳しい秋季キャンプを経験し、変化を感じた部分はありますか?

 「キャンプをする前よりは、『振る』という部分に強さが出たんじゃないかなと思います。オフシーズンでそれを向上できるようにやっていきたいと思っています」

─オフはプロで初めての経験かと思いますが、今はどういったトレーニングをされているのでしょうか?

 「沖縄に帰って、母校で練習して、体力をつけようと思っています。自分は、さぼっちゃう性格なんで……(苦笑)。結構怠けがちなので、高校の厳しい監督のところに行ってトレーニングをやろうと思っています」

─シーズン最終戦で同じく一軍初出場、初安打を記録した内田(湘大)選手は同じ右バッターです。仲田選手にとってどんな存在ですか?

 「内田さんは、練習量が本当にとんでもないんです。みんなより朝早く起きて、まだ自分が寝ている時間にも打ち始めてるので、とても尊敬しています。プライベートではちょっと破天荒な部分もあるので、そこは僕が抑えながら仲良くやらせてもらっています(笑)」

─良き先輩ですね。良い意味で、ライバル視するという感覚はあるのでしょうか?

 「ライバル視というより、一番良いのは、2人そろって一軍でレギュラーに定着できることだと思っています。実現できるように頑張りたいです」

─2025年はプロ2年目のシーズンとなります。現時点で目標とする打者、目標を聞かせてください。

 「目標は高校の時から変わらず、岡本和真選手(巨人)です。ホームランや打点、チャンスでの強さであったり、 そういう部分は本当に憧れです。僕はまだ二軍でレギュラーをつかめていないので、2年目はまず、二軍で試合に出続けること。それから、ケガをしない体づくりを目指してやっていきたいです」

─公式戦の本塁打は意識しますか?

 「そうですね。ただ今は、ホームランよりも、とりあえずチャンスで打つことを意識して、 みんなが打ってほしい場面で打てれば良いなと思います」

─カープファンのみなさまへ向けて、メッセージ、意気込みをお願いします。

 「最終戦のマツダ スタジアムは、声援もすごかったです。一軍にいけるように頑張るので、引き続き応援をよろしくお願いします!」

仲田侑仁(なかだ・ゆうと)
2005年7月31日生、沖縄県出身
沖縄尚学高−広島(2023年ドラフト4位)。恵まれた体格から放たれる力強い打球が魅力の19歳。プロ1年目は故障に泣かされたが、秋季キャンプでは必死にバットを振り込むなど鍛錬の日々を送った。春のキャンプでのアピールが期待される。