思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、新たなカープの魅力を切り取る。

 今回は、選手名鑑に必ず表記されている『血液型』について、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。

カープのB型メンバー(イラスト・オギリマサホ)

◆日本特有の“血液型”表記の理由

 2月も下旬に入り、オープン戦が始まるなど、いよいよ新シーズンの始まりを実感するこの頃である。この時期の楽しみの一つが、各出版社から発売される選手名鑑だ。選手の写真が大きく掲載されているとか、データが充実しているとか、寸評が面白いとか、名鑑を選ぶ基準は人それぞれだろう。しかし、各社の選手名鑑を見比べて思うことがある。なぜ、どの選手名鑑にも必ずと言っていいほど「血液型」の項目があるのだろうか。

 思うに、ここまで『血液型』にこだわるのは、日本独自の文化ではないだろうか。それが証拠に、外国人選手の血液型欄は必ずと言っていいほど『不明』と記されている。

 選手の血液型情報を知ったファンは、「〇〇選手はA型だからやっぱり真面目なんだな~」とか、「△△選手はAB型だからミステリアス!」などと思うことだろう。つまり、日本では『血液型』が『性格診断』と結び付いてしまうのだ。「好きな選手の性格を知りたい」というファンの気持ちが、選手名鑑に血液型が掲載される理由となっていると思われる。

 しかし、この『血液型性格診断』について、私自身はかなり懐疑的である。そもそも人の性格を4種類に分類するのも乱暴な話であるし、性格が血液型によって左右されるとも思えない。そして何より、私自身が血液型でとやかく言われやすいB型であることも影響している。「B型なんだ~だから変わってるんだね~」とか「B型だから仕方ないよね~」などと、『変わり者でマイペース』と判断されるB型は、血液型で良い評価をされることがまずない。B型であることで、なぜここまで言われなければならないのか。

 とまあ私怨はさておき、そうなると自分と同じB型の選手がどれくらいいるのかということが気になってくる(きっと色々言われてきたのだろうな、という同情も含め)。そこで選手名鑑に掲載される、カープ選手の血液型を調べてみた。

 血液型が不明な外国人選手を除き、73名(育成選手含む)のうちA型が29名(40%)で最も多く、次いでO型が28名(38%)、B型とAB型がともに8名(11%)という結果になった。一般的に日本における血液型の割合はA型が40%、O型が30%、B型が20%、AB型が10%なので、カープではB型が極端に少なく、逆にO型が多いということになる。

 監督やコーチはどうかと見れば、21名中A型6名、O型7名、B型3名、AB型5名で、選手と足し合わせればカープの血液型布陣はA型35名、O型35名、B型11名、AB型13名となる。B型が一番少ない。

 過去からカープにB型が少ないのかといえば、外木場義郎や山本浩二、大野豊、黒田博樹、野村謙二郎などB型の名選手は多いし、2009年時点では血液型の判明しているカープ選手76名中、B型は22名(28%)もいて、『B型王国』の様相を呈している(参考文献:血液型と野球を考える会『プロ野球選手に見る血液型人間学』ベースボール・マガジン社・2009)。すなわち、この十数年の間にカープではB型が半減したということだ。

 ちなみに現在のカープのB型11名とは、新井貴浩監督、廣瀬純・横山竜士コーチ(2009年には選手としてB型王国を支えていた)、中﨑翔太、ケムナ誠、會澤翼、清水叶人、野間峻祥、松山竜平、中村奨成、名原典彦である。特に内野手にはB型が一人もいない(逆にAB型の内野手は小園海斗をはじめ6名もいるのだが、その考察は別の機会に譲りたい)。

 前述の参考文献では、「B型の打撃スタイルは思い切りの良い振りと柔軟なバットコントロール、そしてB型はチャンスに強い」「攻撃型の打者はO型とB型であり、通算本塁打上位10位の選手はほぼO型とB型」(王貞治、落合博満、張本勲、衣笠祥雄、大杉勝男がO型、野村克也、門田博光、山本浩二、清原和博がB型。なお現在、通算本塁打数10位の中村剛也もO型)といった傾向がまとめられている。これをそのままに受け取るのは控えたいが、自分と同じという理由、そして少数派になっているという理由でもって、今シーズンはB型の選手、そして新井監督を応援したいと思う。